2025年大阪・関西万博に誕生する持続可能な新建築「森になる建築」
2025年に開催される大阪・関西万博。今回の国際博覧会では、環境に優しい新しい建築物が完成します。株式会社ダイセルと株式会社竹中工務店が協力し、万博会場内の「大地の広場」にて3Dプリンターを用いて建築された「森になる建築」です。この施設は、来場者がゆったりと過ごせるスペースとして機能します。
「森になる建築」の特徴
「森になる建築」は、環境に配慮した設計でありながら、最先端の技術と伝統的な職人技が融合しています。デザインは、直径4.65メートル、高さ2.95メートルの2棟から成り立ち、来場者の癒しの場として期待されています。また、建物の外装には、手すき和紙や種子を混ぜ込んだ「シーズペーパー」を使用。これにより、目を引く見た目でありながら、再生可能な資源が活用されています。
建物は酢酸セルロース樹脂「CAFBLO®」を使用しており、この素材は植物由来で生分解性があり、環境負荷が少ないのが特徴です。これにより、建築物は使用後に廃棄物となることなく、自然に還ることができます。大地に溶け込むようなこの建築は、現代社会が抱える環境問題への一つの解決策を示唆しています。
大阪・関西万博での意義
2025年4月13日から10月13日までの約6か月間、会期中に「森になる建築」は来場者に開放されます。このプロジェクトは、持続可能な建築の未来を考えるきっかけとなるでしょう。市民や訪問者が、ちょっとした休憩やリフレッシュに利用できる癒しの場として、多くの人々に愛されることを目指しています。
酢酸セルロース樹脂「CAFBLO®」とは?
酢酸セルロース樹脂「CAFBLO®」は、均質な生分解性を有する素材で、特に海洋環境での分解性が優れています。天然由来の原料から製造され、非可食性材料を使用しているため、食糧問題に対する影響も心配ありません。ダイセルは、これまでの研究成果を生かし、この樹脂の用途を広げるためにさまざまな製品開発を進めています。
まとめ
今回の「森になる建築」は、ただの建物ではなく、未来を見据えた新しい試みの象徴です。株式会社ダイセルと竹中工務店の技術が結集し、持続可能な社会の実現を目指しています。大阪・関西万博の開催を通じて、多くの人々がこの建物の持つメッセージに触れて、環境について考える機会になればと思います。新しい形の建築が生まれる瞬間を、ぜひその目で確かめてください。