サントリーグループとユニ・チャームグループが協力し、関東と四国間での鉄道コンテナによる長距離往復輸送を11月から本格的に開始することが発表されました。この取り組みでは、関東から四国へはサントリーが生産する酒類や清涼飲料製品が、四国から関東へはユニ・チャームが提供する衛生用品などが輸送されます。これによって、年間で約200台のトラックを減らすことができ、同時にCO2の排出量も約180トンの削減が見込まれています。
従来はトラックによるリレー形式の輸送が行われていましたが、今回の鉄道コンテナ輸送への切り替えは物流の効率と環境への配慮を両立させる重要なステップといえるでしょう。特に、トラックドライバーの時間外労働の上限が規制される「物流2024年問題」を背景に、効率的かつ持続可能な物流システムを構築することは企業にとっても急務です。
サントリーグループはこれまで、スマートロジスティクスの推進に力を入れ、先端技術を活用した物流の効率化や、自治体や他企業との連携を強化してきました。この新たな鉄道輸送システムの導入により、さらなる働きやすい環境の構築とともに、自然環境にも配慮した物流を実現していく方針です。
また、この取り組みは物流の国際的な規模でも注目されており、経済産業省や国土交通省が実施する「令和6年度物流パートナーシップ優良事業者表彰」の「グリーン物流パートナーシップ会議特別賞」を受賞するなど、高い評価を得ています。これは、トラックの代替輸送手段としての鉄道の可能性が広がり、その結果、さまざまな企業が環境への負荷を減らす努力を強化することを促すでしょう。
今後、サントリーとユニ・チャームはこの取り組みを通じて、持続可能な物流の実現をさらに推進していくと共に、他の企業や地域との協力を深めることで、日本全体の物流の未来を形作っていくことが期待されます。環境に優しい物流はもちろんのこと、経済活動の活性化にも寄与することが求められています。こうした新たな流れが、日本の物流業界全体に良い影響を及ぼすことを願うばかりです。