先進レーダ衛星「だいち4号」がギネス世界記録TMを更新
先日、三菱電機と宇宙航空研究開発機構(JAXA)が共同開発した先進レーダ衛星「だいち4号」が、直接データ伝送速度3.6Gbpsを達成し、ギネス世界記録TMに認定されました。この快挙は、最新の技術を駆使した成果であり、衛星からの迅速なデータ伝送がいかに防災・減災に寄与するかを示しています。
1. ギネス世界記録TMの達成
「だいち4号」は地上局との通信を10分程度の短い時間内に行う必要があり、従来の技術をさらに進化させる必要がありました。家庭で使用される一般的なインターネット接続と比べて約4倍も速い3.6Gbpsでのデータ伝送は、約2,000キロメートル以上離れた地上局へも迅速に情報を届けることを可能にします。
2. 新技術の導入
この記録は、特にKaバンドを活用した技術によって実現されました。従来のXバンドに比べ、より広帯域でデータ伝送が可能となり、周波数多重化と多値変調方式を組み合わせることで通信効率を大幅に向上させました。
信号の品質をさらに高めるために、Digital Pre-Distortion(DPD)技術が導入され、これにより雨や大気による信号の減衰を補いながらも高出力化を実現することができました。このような技術の進化は、他の工業分野でも応用可能であると期待されます。
3. 防災・減災への貢献
「だいち4号」の直接伝送系は、多くの観測データを迅速に処理する能力を持っており、地殻や地盤変動の把握に大きく寄与します。この情報は、早期警戒システムなどへ活用され、災害が発生する前に人命を守るための重要なツールとなります。
4. 三菱電機の取り組み
三菱電機は、今後も先進的な技術を開発し続け、宇宙事業を通じた持続可能な社会の実現に向けて努力します。これまでも数多くの衛星システムの開発に携わり、日本の宇宙開発においてリーダーシップを発揮してきましたが、これからもその取り組みは続いていきます。
5. まとめ
先進レーダ衛星「だいち4号」が達成したギネス世界記録は、宇宙技術の新たな可能性を示すものです。今後も、三菱電機およびJAXAは、技術革新を通じて人々の生活をより良くし、未来の課題に立ち向かうための挑戦を続けていくことでしょう。