Z世代の結婚観に見る新しいトレンド
近年、若者の結婚に関する価値観が大きく変わってきている。その一例が「交際0日婚」であり、特に東京都内に住むZ世代(20〜26歳)の中で注目を集めている。このほど、結婚相談所「サンマリエ」が実施した調査によると、都内在住のZ世代男性女性102名のうち約6割が「交際0日婚」に対して肯定的な意見を持っていることが明らかになった。今回は、その深層を探っていこう。
調査概要と結果
「交際0日婚」に関する調査は2024年7月24日から26日までの間、インターネットを通じて行われた。
この結果、Z世代の回答者の22.5%が「とても肯定的」、36.3%が「やや肯定的」と回答し、全体の58.8%がこの急激な結婚スタイルに賛意を示した。
賛成の理由
この調査で「交際0日婚」に肯定的な理由として最も多かったのは「恋愛は面倒だから」というもので、これは46.7%の人が挙げている。続いて、35.0%が「経済的な理由から早く安定したい」と応えた。現代のZ世代は、恋愛ではなく結婚を早くしたいという意識を持っていることが浮き彫りになった。具体的には、時間を無駄にしたくないと感じる人も多く、25%が「恋愛よりも結婚を優先したい」と回答している。
否定的な意見も
対照的に、「交際0日婚」に否定的な意見も多く、71.4%の人が「相手との相性が悪いかもしれない」といった理由を挙げている。また、「相手の良い面しか見れない」という意見や、「トラブルに巻き込まれる可能性がある」と懸念する声もあり、結婚相手を直接選ぶことの不安感がうかがえる。さらに、自由回答では「後悔しそう」といった発言もあった。
結婚を考えるまでの交際期間
Z世代は結婚を考える時期についても明確な意見を持っている。調査では、最も多かったのが「半年以上1年未満」で30.4%という結果で、次いで「1年以上2年未満」が17.6%。このように多くの回答者が、比較的短い交際期間で結婚を視野に入れていることが分かった。
周囲の経験
さらに、41.2%の人が周囲に「交際0日婚」の経験者がいると回答しており、その影響も背景にあると考えられる。一方で、53%が自身でも「交際0日婚を考えたい」と答えて前向きな意向を示していることから、Z世代の間でこの新しい結婚スタイルが浸透しつつあることがうかがえる。
最低限知っておきたいこと
交際0日婚をする際に最低限知っておきたい相手の情報についても質問があり、「兄弟構成」が50%、「両親について」が44.1%、さらに「仕事」が36.3%という回答が集まった。気になるのは、借金や離婚歴についての情報も知りたいとの声が多数寄せられたことだ。
まとめ
今回の調査を通じて、Z世代が「交際0日婚」に対してどのような思いを抱いているのか、その実態が明らかになった。恋愛を面倒と感じ、経済的な安定を志向する傾向が伺え、今後この傾向がさらに広がる可能性もある。結婚相談所などのサービスも、こうしたZ世代のニーズに応じた内容の提供が求められている。親しい人とのつながりを見直す良い機会とも言えるだろう。