廃漁具から誕生！海洋保全に貢献する絵馬「UMI-EMA」の魅力

株式会社REMAREは、一般社団法人フィッシャーマン・ジャパン及び住吉大社と協力し、廃漁具をアップサイクルした絵馬「UMI-EMA」を共同企画しました。この取り組みは、海洋プラスチック問題の解決に向けた新たな試みとして、非常に注目されています。

UMI-EMAの誕生背景と目的

「UMI-EMA」は2025年7月21日の「海の日」から、住吉大社で販売が開始される予定です。売上の一部は海洋保全活動に寄付され、海の未来に寄与することを目指しています。この絵馬は、廃漁具、特に漁網など、役目を終えた素材を再利用して作られたもので、海洋環境が抱える問題を象徴しています。

REMAREは独自のアップサイクル技術を駆使し、絵馬の素材を提供しています。もともと絵馬は神社に奉納されるものですが、最近では記念品や縁起物として手元に残されることも増えています。UMI-EMAも、多くの人々が海とのつながりを身近に感じるきっかけになることを期待しています。

海が抱える5つの課題

UMI-EMAには、海の生き物たちが抱える5つの課題が描かれています。それぞれの課題について、より深い理解を促すデザインになっています。これらの課題は、私たちが今、真剣に向き合うべき重要な問題です。ここでその内容を見てみましょう。

1. 海洋プラスチックごみ
プラスチックごみは、海洋生物、特にジンベエザメのような巨大な生物が誤って摂取するリスクを孕んでいます。これは生態系に深刻な影響を与えています。

2. ゴーストギア（廃漁具）
投棄された漁具は、ウミガメや他の海洋生物を傷つけてしまう原因となっています。この問題は未だ解決されていません。

3. 漁業と資源管理
クロマグロのような魚種は過剰漁獲により絶滅危惧種に指定されていますが、最近では資源管理の努力が実を結びつつあります。しかしまだまだ継続的な取り組みが必要です。

4. 海水温の上昇
気候変動に伴う海水温の上昇は、サケなどの生育や養殖に悪影響を及ぼし、海の生態系に変化をもたらしています。

5. 磯焼け（海藻の減少）
海藻の減少は、魚の生息場所や産卵場である「海の森」を失わせ、海の生態系に多様性の危機をもたらします。

社会全体を巻き込むムーブメントの創出

本プロジェクトは、フィッシャーマン・ジャパンとREMAREの業務提携に基づき、「ブルーオーシャンイニシアチブ（BOI）」という企業連合に参画し、10社以上と共に海洋保全について議論を重ねてきました。絵馬という日本の文化を通じて、広く一般の人々が海を意識するきっかけを提供することを目指しています。

再生可能な資源としてのプラスチック

REMAREは2021年から「海のゴミや海洋プラスチック問題を解決したい」という理念のもとに、様々なアップサイクル製品を開発しています。UMI-EMAも廃漁具を再利用して製作されています。このようにして、新たな形の絵馬が生まれました。海のプラスチックは通常、環境汚染の象徴と考えられがちですが、REMAREはそれを「再生可能な資源」と捉えています。

再生プラスチックを素材に使い、「燃やさず、埋め立てず、社会に貯蔵する」という理念のもと、新たな製品へと生まれ変わらせています。これにより脱炭素社会の実現や環境問題への対策に取り組むというビジョンを示しています。