安藤ハザマが進める新しいコンクリート技術の試験
建設業界の革新が進む中、安藤ハザマが企業や団体15社からなるCPコンクリートコンソーシアム(CPCC)の一員として、コンクリート新技術の開発に乗り出しました。国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のグリーンイノベーション基金事業、「CO2を用いたコンクリート等製造技術開発プロジェクト」を受けて、2022年からCARBON POOLコンクリート(CPコンクリート)の開発を進めています。
プレキャスト製品の製造試験開始
2024年9月からは、静岡県菊川市に位置する安藤ハザマ興業株式会社の菊川工場で、CPコンクリートを使ったプレキャスト製品の製造試験が始まりました。この取り組みは、持続可能な建設を目指す新しい技術の一環であり、環境への影響を軽減することを目的としています。
新しい製造技術
製造試験では、菊川工場に設置されたCO2固定化仮設備を活用し、市場に流通する再生骨材にCO2を固定する「炭酸化再生骨材」を生産します。また、スラッジ水を模擬したセメントミルクを炭酸化させる「炭酸化スラッジ粉末」も生成し、これらをCPコンクリート材料として使用します。
CO2の削減目標
重要なポイントは、製造したプレキャスト製品に対して脱型後に炭酸化処理を施すことで、コンクリート1立方メートルあたり120kg以上のCO2を固定し、低炭素型セメントにより310kg以上のCO2排出量削減を目指すことです。これにより、環境に優しい建設材料としての役割を果たすことが期待されています。
大阪・関西万博での取り組み
製造試験で作成されたプレキャスト製品は、CPCCが協賛する大阪・関西万博の「未来社会ショーケース事業、フューチャーライフ万博・未来の都市」に展示される予定です。この展示を通じて、製品の耐久性能を測定し、将来的な実用化に向けてのデータを収集します。
環境に配慮した革新技術
CPコンクリートは、従来は産業廃棄物として扱われていた解体コンクリートやスラッジケーキを再資源化し、CO2を固定する新しい試みです。これにより、建設現場での環境負荷を軽減し、持続可能な社会の実現に寄与することを目指しています。
安藤ハザマのこのような取り組みは、建設業界における次世代の素材開発の鍵となり、環境保護と経済活性化の両立を促進することが期待されます。