大阪ガスが新たな住まいを模索する居住実験開始
大阪ガス株式会社は、近未来の住環境を探るための居住実験を、実験集合住宅「NEXT21」において実施することを発表しました。このプロジェクトは、同社の100%子会社である大阪ガス都市開発株式会社と大阪ガスマーケティング株式会社の共同によるもので、2025年6月からスタートします。
「NEXT21」は、1993年に建設された実験集合住宅で、環境やエネルギー、暮らしの新たな在り方を提案することを目的としており、これまでにも31年間にわたって数多くの実証実験が行われてきました。特に、最新の第6フェーズでは「まちで集まって住む意味を再定義する」というテーマで、個人の住環境に対するニーズを見直し、地域との結びつきやエネルギー節約など、今後の住まい方に関する実験が展開されます。
新たな居住実験の概要
今回の居住実験は、402住戸と301住戸の2つのモデルで行われ、異なる生活スタイルを検証しながら新しい住まいのかたちを模索します。
402住戸 - 大阪ガス都市開発による「TRANS×HOME」
この住戸は「暮らす。試す。広がる。」をコンセプトに、多様な利用が可能な部屋設計が特徴です。狭い面積でも広く感じられる室内環境の実現を目指し、家庭の形態に応じたカスタマイズ性を高めています。具体的には、3つのゾーン(Uゾーン、Sゾーン、Cゾーン)で構成され、各ゾーンは異なる生活スタイルに応じた特性を持っています。Uゾーンはコンパクトながら快適に生活できる空間、Sゾーンは自分好みにカスタマイズできるフレキシブルな住まい、Cゾーンは多目的に利用できるスペースを設けることで、入居者の多様なニーズに対応します。このような取り組みを通じて、時代の変遷に応じた住まいの実現を図るのです。
301住戸 - 大阪ガスマーケティングによる新たなLDK空間
301住戸では、家族間の交流を促進しながら、家事の効率化を図る新しいLDK(リビングダイニングキッチン)環境が提案されます。特に注目されるのは「可変式テーブルユニット」の導入で、家族各自の活動や必要に応じてテーブルの位置を変えられる設計が特徴です。また、洗濯機とガス衣類乾燥機「乾太くん」を連携させ、スムーズな家事動線を実現する工夫も施されています。こうした試みは、現代の家族が求める効率化や快適さを追求しており、住まい方の価値を見直す試みでもあります。
今後の展望と計画
この居住実験は2025年4月にスタートし、2025年6月からは一般見学会も予定されています。今後は居住実験の結果をもとに、商品化の方向性や新たな住まい方への提案を展開していくとされています。また、大阪ガスは地域コミュニティとの繋がりやエネルギー消費の効率化を求める現代のニーズに応じた研究・提案に力を入れ、持続可能な未来に向けたエコな住環境の提供を目指しています。
このように、大阪ガスの居住実験は、住まいが未来に向けてどのように進化していくのかを示す一つの指標となるでしょう。時代が求めるライフスタイルの変化や技術の進歩に合わせて、私たちの住まい方も変わっていく必要があります。今後の進展から目が離せません。