2024年11月27日、一般財団法人日本GAP協会が主催するシンポジウム「GAP Japan 2024」が開催され、約600名の参加者が集まりました。このイベントのテーマは「GAP標準化への胎動」。会場には150名、オンラインでは450名が参加し、持続可能な農業の実現に向けた多様な取り組みが報告されました。
「GAP」とは、Good Agricultural Practicesの略であり、農畜産物を生産する際に生産者が守るべき手法を指します。このシンポジウムでは、GAPの重要性や取り組みの進展について多角的な視点から議論されました。参加者からは、「具体的なヒントが得られた」「国際的な動向を理解することができた」といった感想が寄せられ、活発な情報交換が見られました。
まず、シンポジウムの一環として「GAPとSDGs農業の日」の記念日登録証授与式が行われました。この記念日が多くの人々にGAPの意義を知ってもらうきっかけになることが期待されています。日本GAP協会の木内理事長は、「持続可能な未来を築くために、より多くの人にGAPについて理解してもらいたい」との思いを述べました。
続いて、世界水準でのGAP標準化についても議論されました。国際的な認証機関であるGFSIが承認したASIAGAPやGLOBALG.A.P.などの最新動向が紹介され、パネルトークで国際取引におけるGAPの重要性とその課題について参加者同士で意見が交わされました。
さらに、日本国内におけるGAP推進の動きも取り上げられました。農林水産省や各種団体からの発表があり、現場でのGAP推進方法や課題について意見交換が行われました。これにより参加者は具体的な実践例とその成果を深く知ることができました。
「GAP Japan アワード 2024」の記念講演では、優れた取り組みを表彰し、受賞者が成功事例を発表しました。参加者は、受賞企業の持続可能な未来に向けた熱意を感じることができ、大いに感銘を受けたようです。
懇親会では、JGAP認証を取得した農畜産物を使用した料理を楽しみながら、異なる業種の参加者同士の親睦を深める場として役立てられました。このような交流イベントは、さらなる情報交換とネットワーク構築を促進しました。
このシンポジウムを通じて、GAPの普及の重要性が再確認され、持続可能な農業への具体的な取り組みについての理解が深まりました。日本GAP協会は今後もJGAPとASIAGAPの運営を通じて持続可能な農業の実現に貢献していくことでしょう。
シンポジウムに参加された方々は、講演資料の請求を日本GAP協会にすることができます。連絡は
[email protected]へ。
GAPとは
GAPは農業の良い実践を意味し、生産者が遵守すべき取り組みのことを指します。日本GAP協会が運営するJGAPとASIAGAPは、食品安全、環境保全、労働安全などの観点から、持続可能な農業実現に向けた認証制度を提供しています。農林水産省も此の政策を重視しており、2025年の大阪・関西万博に向けた調達基準にも採用予定です。
日本GAP協会は、JGAPおよびASIAGAPの認証制度の運営や普及などに取り組んでいます。食の安全を通じて広く社会に貢献することを目指し、邁進しています。所在は東京都千代田区紀尾井町、日本農業研究所ビルにあります。