昭和フロントが贈る「第56回ストアフロントコンクール」
昭和フロント株式会社は、三和ホールディングスの連結子会社として、店舗デザインの最高峰を決定する「第56回ストアフロントコンクール」の受賞結果を発表しました。このコンクールは、年々応募数が増加し、今回は過去最多の2,368件が寄せられました。
グランプリに輝いた「トップランク本店」
特に注目すべきは、グランプリを受賞した「トップランク本店」です。この店舗は、船橋から成田へ通じる成田街道に位置しており、周囲には戸建て住宅も立ち並ぶ環境にあります。建物のデザインは、街道に向けて2層分の窓を斜めに4回繰り返すという独特のファサードが特徴です。
高級輸入車のショールームとしての役割を果たすために、建物は車が走っているときに良く見えるように設計されています。内部では吹き抜けと階段によって視覚的な開放感があり、来店者は車の個性をゆっくりと楽しむことができます。このデザインの要は、全ての窓がフルにガラスで構成されている点であり、そのスリムな枠組みは防火設備や排煙外倒し窓といった機能も優雅に備えています。
部門別の優れた作品たち
コンクールでは、グランプリの他にも金、銀、銅賞が発表され、それぞれに秀逸なデザインが選ばれました。店舗建築部門の金賞に輝いた「DS Store Okayama 新築工事」は、カーテンウォールの特徴を活かし、1階と上階のコントラストを巧みに演出しています。
審査委員の池貝知子氏は、この作品が実に洗練されていると評価しました。また、一般建築部門では「THE DINING by KAMAGAYA BIRTH CLINIC」が金賞を受賞し、細いフレームの透明ガラスで囲まれた木造のデザインが高く評価されました。スリムな枠組みが全体の美しさをさらに引き立てています。
さらに、リニューアル部門金賞には「丸仲建設株式会社岐阜支店」が選ばれました。この作品は、既存の建物をカーテンウォールで覆って刷新し、外観のイメージだけでなく断熱性能も向上させています。
審査委員長の背景と評価
審査委員長を務めた八木幸二氏は、夜の建築が持つ美しさを引き合いに出しながら、受賞作品の外観や質感について深く分析しました。建物のフロント材や壁の色彩が店舗デザインにおいていかに重要かを丁寧に説明し、それぞれの作品が持つ独自の魅力を引き立てる要素として、デザインの“色事師”が求められることを強調しました。
このように、令和時代の店舗デザインは美しさと機能性を兼ね備えた作品が求められ、Topランク本店を初めとする受賞作品は、それを見事に体現しています。
今回のコンクールは、今後の店舗デザインに新たなインスピレーションを与えるものであり、私たちの生活空間をより豊かにしてくれることでしょう。