パプアニューギニアの多文化を体感するナショナルデー
南太平洋に位置するパプアニューギニアは、世界でも類を見ない文化の多様性を持つ国です。俳句の世界観を持つような豊かな伝承が、約800の異なる言語と800以上の部族に根付き、数世代にわたって受け継がれています。2023年は、同国の独立から50周年を迎え、日本との外交関係も50年を超える記念すべき年です。
15万人をゆうに超える人口が暮らすパプアニューギニアでは、熱帯雨林の保護やエコツーリズムなどを通じ、持続可能な文化を重視した取り組みも進められています。このような背景を持つ中、7月21日に「パプアニューギニア・ナショナルデー」が大阪で開催されます。
文化の多様性を体験するブース
「大阪・関西万博」の会場に設けられるパプアニューギニアブースでは、地域ごとの伝統工芸品や手芸品を展示し、訪問者に独自の文化を直接体験してもらうことができます。ここでは、魅力的な木工品や自然素材を用いた装飾品に触れることができ、自然と人との共生が如何に重要であるかを感じ取ることができるでしょう。また、中央には没入型ホログラムディスプレイが設置され、パプアニューギニアの豊かな自然や伝統舞踊を3D映像で楽しめる演出が魅力です。
来場者を迎えるのは、パプアニューギニア政府のマーケティングを担当するストゥワントさん。大阪は訪問歴3回目という彼は、万博期間中も日本各地を巡りながら、情報発信やブースの運営に心血を注いでいます。日本の食文化にも興味を持っている彼は、天満の焼肉店での体験を語ってくれました。「現地では、焼く以外にも茹でたり、煮込んだり、また『ムム』と言われる埋めて蒸し焼きにする方法もあり、食文化の多様性に触れられました」と笑顔を見せてくれました。
迫力満載の伝統舞踊「マヌス・シンシン」
ナショナルデーのイベントの目玉となるのは、本国から来日する20人のダンサーによる「マヌス・シンシン」の披露です。マヌス州の伝統舞踊であり、数ある部族がそれぞれ違った踊りを持つ中で、特に個性的な動きが際立つとのこと。ダンスには、木製の太鼓「ガラムート」が用いられ、16ビートのリズムに合わせて軽快なステップが踏まれます。このダンスは、ただ見るだけでなく、感じることでパプアニューギニアの文化の深さを体験できるでしょう。
パプアニューギニアの伝統文化が、どのように築かれ、時代の波の中で保存されてきたのかを知る機会にもなるはずです。ストゥワントさんは「歴史的な背景の中でも変わらず伝承されてきたこの独自のダンスは、観る人に力を与え、心を打つものと信じています」と力強く話してくれました。
自然の恵みを感じる日
日本に住む皆さんにとって、海の日である7月21日は、パプアニューギニアの文化や自然の珍しさに触れながら、国同士のつながりを再認識する日になることでしょう。同国もまた、海洋国として豊かな海の恩恵を受けてきました。
このナショナルデーの催しは、文化交流の場であると同時に、パプアニューギニアの未来を考えるきっかけにもなるはずです。あなたもぜひ、この機会を逃さず、訪れてみてはいかがでしょうか?