白金数理が公開した日本語特化の個人情報検出AIモデル
白金数理合同会社は、日本語の文章から個人情報を検出するためのAIモデル「pii-ja-ner-onnx」をオープンソースとして施行しました。このモデルは、氏名や住所、電話番号、メールアドレスなど、個人を特定できる情報(Personally Identifiable Information、略称PII)を効果的に検出できる日本語BERTベースの固有表現抽出モデルです。
デモページの公開で手軽さを追求
また、モデルの動作をウェブブラウザで確認できるデモページも同時に公開しました。利用者はこのデモを通じて、入力した文章からどのようにPIIが検出されるかを直接体験することが可能です。このデモは、外部の推論APIを介さず、利用者のブラウザ内で処理を実行します。そのため、個人情報を外部に送信せずに安全に利用できる点が特徴です。
開発の背景と利便性
昨今、生成AIや大規模言語モデル(LLM)の業務利用が進む中で、企業が保有するデータを外部サービスに送信する機会が増加しています。特に医療や福祉といった敏感な分野では、個人情報が多く含まれる文章が多数存在します。こうした情報を無防備に流出させることは極めて危険であり、白金数理はこの問題に取り組んでいます。
本モデルの役割は、データを外部に送信する際に、どの情報が許可され、どの情報が送信すべきでないかを識別することにあります。その結果、マスキングや匿名化を行い、データの漏洩リスクを最小限に抑えることが期待されます。
モデルの特徴
公開された「pii-ja-ner-onnx」は、日本語の文章をトークン単位で解析し、PIIの種類とその位置を検出するモデルです。主要な特徴は次の通りです:
- - 日本語BERTをベースにしたトークン分類モデル
- - 18種類のPIIを検出
- - 37のBIOラベルに対応
- - ONNX形式での配布
- - INT8量子化済み
- - モデルサイズは約105.4MiB
- - Apache License 2.0で公開
このモデルは、個人情報として氏名や住所、電話番号、メールアドレス、マイナンバーなどの検出をサポートし、様々な環境での導入が可能です。
利用用途の広がり
本モデルは多岐にわたる利用用途が見込まれています。企業が保有するデータを用いた事前検査や、社内チャットへの組み込みによる氏名や電話番号の自動マスキング、問い合わせメールの分析前処理などに活用されます。また医療や教育などの分野における記録データの処理など、多くのシーンでの利便性が高いことが特徴です。
オープンモデルでのサポート
白金数理はオープンソースモデルの公開にとどまらず、企業や開発者が実際の業務システムにモデルを導入するための支援を行っています。具体的には、精度検証のためのデータ活用や業務に合わせたモデルの追加学習、さらにマスキングシステムの開発などを提供し、安全で効率的なAIの活用を促進します。
今後の展開
今後、白金数理は製品の精度向上や機能拡充に注力し、生成AIを安全に業務利用するためのシステムを確立していく考えです。オープンモデルの基盤に加えて、企業のデータに特化したサービス展開を通じて、安全なAI活用を促進することを目指します。
参考情報
公開されたデモページやモデルの詳細については、下記のリンクからご確認いただけます。
個人情報保護の観点からも重要なこの技術が、今後のAIの活用シーンで活躍することを期待しています。