海事サイバーセキュリティセミナー 2024が開催
広島県で、船舶のサイバーセキュリティに特化したイベント「海事サイバーセキュリティセミナー 2024」が、広島商船高等専門学校の主催により9月18日から20日にかけて行われる予定です。このセミナーは、日本財団の助成事業として位置付けられており、船舶におけるサイバーセキュリティ人材の育成を目的としています。
特に、昨年の名古屋港におけるサイバー攻撃の事件が引き起こした関心を背景に、セミナーでは実際にサイバー攻撃を実行し、その防御に関する演習を通じた学びが計画されています。全国の情報システム系や商船系の国立高等専門学校から約40名の学生、海事関連業界の関係者約20名が参加予定で、ペネトレーションテストを行うことで、より実践的な知識を得る機会が提供されます。
実施内容とプログラム
セミナーは、初日に船舶や情報セキュリティのエキスパートからのレクチャーを受け、グループでの戦略構築へと進みます。19日と20日には、実際の練習船「広島丸」において、ネットワークシステムへのサイバー攻撃を行い、その検知・復旧作業についてのインシデントレスポンス演習を実施します。この形式は、昨年度から進化を遂げており、より実際の運航を想定したコンディションでの演習が行われることが期待されています。
このセミナーは、海事業界における情報系人材の不足や、近年の無人運航船プロジェクト「MEGURI 2040」にも関連しており、育成プログラムが急務であることを反映しています。
地域との連携
今回のセミナーは、一般社団法人日本舶用工業会や竹原市、大崎上島町の後援を得て行われます。さらに、株式会社ラックや株式会社ビズリーチが協力し、内容の充実を図っています。地元地域に根ざした教育機関としての広島商船高専の取り組みは、高度な専門知識を身につけた人材の育成へとつながり、地域の安全にも寄与することが期待されています。
具体的には、参加者はチームに分かれ、攻撃者と防御者に役割を分け、実際にサイバー攻撃が発生した時の対応力を養うことで、より一層現場実践に基づく能力を高めることになります。これは、今後の船舶運航におけるサイバーセキュリティ強化に貢献するでしょう。
まとめ
「海事サイバーセキュリティセミナー 2024」は海運業界の未来を視野に入れた重要なステップです。船舶のサイバーセキュリティが経済や社会に与える影響は甚大であり、今回のイベントを通じて得られた知見が今後の業界へと波及していくことが期待されます。入念に計画されたプログラムは、実践的なスキルを学生に授け、地域社会全体の安全性向上に寄与することでしょう。