吹田市がAI活用で避難所入所受付を大幅効率化！97%の時間短縮実現

吹田市の避難所入所受付が劇的に変化

近年、自然災害が頻発し、避難所の運用効率が求められています。大阪府吹田市では、そうした課題に対応するため、株式会社バカンと共同で「避難所マネジメントシステム」の実証実験を行い、避難所の入所受付時間を従来の最大97%も短縮する成果を上げました。

実施の背景と目的

この実証実験は、2025年6月28日に吹田市役所の危機管理センターで実施され、実際に震度6強の地震を想定し、避難者の受け入れがスムーズに行えるかを検証しました。自然災害の増加に伴い、混雑を解消するためのシステムの重要性が高まっている中、バカンはこれまでも200以上の自治体で混雑状況を可視化する取り組みを行ってきました。

実証実験の内容

実証実験では、従来の紙ベースの避難者カードによる記入方法と、バカンが提供するデジタル化されたシステムに基づく方法を比較しました。参加者には吹田市の職員が選ばれ、実験は主に以下の手法で行われました：

1. アプリを使ったQRコード読み取り：避難者は事前にアプリで情報を登録し、QRコードをスキャンすることで入所手続を行います。
2. WEBフォーム入力：QRコードを使用して、避難所で必要情報をスマートフォンから直接入力。
3. マイナンバーカードリーダーの活用：避難者が自分のマイナンバーカードをリーダーにかざすことで手続きを完了。
4. 従来方式：紙の避難者カードに必要情報を手書きし、職員がその内容を手動でデータベースに転送。

驚きの結果

結果として、デジタル化された手法は従来の紙ベースの手法に比べ、最も短いもので2秒、最も長いもので17秒で手続が完了。紙媒体の場合、所要時間は1分8秒に達するもので、97%の効率化は圧巻です。特に、データベースへの情報処理が自動化されることで、職員の負担も大きく軽減されました。これにより、高速対応が求められる緊急時の避難運営が大幅に向上することが期待されます。

システムの全容

今回の実証実験に使用された「避難所マネジメントシステム」は、複数のサービスを統合したプラットフォームです。スマートフォンアプリ「tami tami」では、日常生活の地域交流を促進する機能に加え、災害時には避難手続をスムーズに行えるよう工夫されています。また、避難所の混雑状況をリアルタイムで管理できる唯一の機能も搭載しています。