ユニークな予防法
2024-12-01 18:18:55

岡山大学、食道がん術後の合併症予防に新たなガム咀嚼トレーニングを発見

岡山大学が発見した新しい合併症予防法



国立大学法人岡山大学は、食道がんの手術後にガムを噛むトレーニングが、誤嚥や発熱などの術後合併症を予防する可能性があることを世界で初めて確認しました。この研究成果は、昨年の10月にイギリスの科学雑誌「Scientific Reports」に掲載され、多くの関心を集めています。

研究の背景


食道がん手術を受けた患者は、術後に口腔機能が低下しやすく、誤嚥などのリスクが増加します。これまで、専門の歯科医が行う口腔管理が感染予防に有用であることは知られていましたが、患者自身が取り組める簡便で効果的な方法が求められていました。このニーズに応える形で、岡山大学の研究チームがガムを使った新しいアプローチを提案しました。

研究方法と結果


研究は、食道がん手術を経た患者を対象に実施され、ガム咀嚼トレーニングの効果が調査されました。このトレーニングによって、術後の口腔機能が改善されたことが確認されています。

特に、誤嚥リスクの高い患者においては、ガムを噛むことが心理的にも安心感を与えるという意見も寄せられました。山中玲子助教は、ガム咀嚼がただのトレーニングにとどまらず、術後の患者にとって重要な支えとなる可能性を指摘しました。

看護現場での実践


また、ICUの看護師からは、手術後に何も食べられない患者にとってガムを噛むことが精神的な支えとなったという感想もありました。このように、食道がん手術後の患者において、ガムを噛むことが新しい健康維持の手段として位置付けられています。

山中助教のコメント


山中助教は「多様な専門家の協力によって本研究が成し遂げられた」と述べ、成功の鍵を強調しました。コロナ禍の影響で受診を控える患者も多かった中、その安全性や有効性を確かめられたことは大きな意義を持つと語っています。また、専門的な口腔衛生管理とともに行うことにより、さらなる効果が期待できるとしています。

研究の意義


この発見は、食道がん手術後だけでなく、広く高齢者やオーラルフレイルに悩む多くの人々にもメリットがある可能性があります。ガムを通じて口腔機能を向上させる手法は、今後の医療現場で注目されるアプローチとなるかもしれません。

この研究は、岡山大学の取り組みとして地域社会への貢献を目指し、さらなる研究開発が期待されています。臨床現場での実用化が待たれます。


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会社情報

会社名
国立大学法人岡山大学
住所
岡山県岡山市北区津島中1-1-1 岡山大学津島キャンパス本部棟
電話番号
086-252-1111

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