優秀講演表彰の栄誉
2024年11月8日、木村化工機株式会社のエネルギー・環境事業部に所属する椎野朱里氏が、日本機械学会の動力エネルギーシステム部門から「優秀講演表彰」を受賞しました。この表彰は、特に2023年に東京都で開催された「第27回 日本機械学会 動力・エネルギー技術シンポジウム」で発表した内容が高く評価されたものです。
椎野氏の講演内容
椎野氏の講演テーマは「銀ゼオライトを用いたFCVSの高度化」に関するもので、その中で「銀ゼオライトXeAを用いた希ガス吸着性能評価」が行われました。この研究は、放射性物質の除去を目的としたフィルタベントシステム(FCVS)において、従来の活性炭に代わって銀ゼオライトの利用を提案するもので、性能評価を行うための試験装置を自ら制作し、その結果を詳細に報告しています。
技術開発の背景
木村化工機は2020年度から、経済産業省の支援を受け、原子力産業基盤強化のための新たな技術開発を進めています。このプロジェクトは3社(ラサ工業、森村商事、木村化工機)と東京科学大学の共同研究により実施されており、すでに実用化段階に入っています。この新技術は、原子力事故時の放射性物質除去だけでなく、日常業務に従事する作業員の被曝低減にも大きく貢献することが期待されています。
講演の実績
桐野氏は試験装置を使用し、キセノン濃度20ppmの条件下で希ガス吸着性能を評価しました。その結果、銀ゼオライトXeAは、活性炭と比較して36倍以上の性能を示すことが確認され、講演は技術的な深みと発表方式の両面でも優れたものと評価されました。
しかも、同じ試験装置を使い、露点の影響も確認した結果、露点の違いには吸着性能的に大きな差が見られないことが分かりました。
今後の展望
木村化工機を含むコンソーシアムは、今後もこの技術の普及に向けた研究開発を続け、さらなる成果を目指して取り組んでいく方針です。エネルギー・環境の分野では、高度な技術力とそうした研究体制が求められていますが、椎野氏の受賞はその努力の一環として、多くの関係者に希望を与えるものとなるでしょう。
会社概要
木村化工機は、1924年に設立された総合エンジニアリング会社で、資源循環や低環境負荷のエネルギー供給を通じて、持続可能な社会づくりに寄与しています。エネルギー分野では、蒸留や蒸発装置において業界トップクラスの研究開発力を誇ります。
会社情報
- - 会社名:木村化工機株式会社
- - 所在地:兵庫県尼崎市杭瀬寺島二丁目1番2号
- - 電話番号:06-6488-2501
- - URL:公式サイト