男性の妊孕性支援プログラム開始の背景
不妊に悩むカップルが全国で増加する中、男性の妊孕性に注目した共同研究がスタートしました。大阪信愛学院大学とNPO法人Fineが手を組み、2025年1月から男性の妊孕性維持を支援する画期的なプログラムを科学的に検証します。
日本における不妊カップルの数は、実に4組に1組と言われています。WHOの調査によると、不妊の要因の約半数が男性に起因しているとされています。しかし、実際には男性が自身の妊孕性を把握する機会は非常に限られています。これにより、多くの男性が不妊の原因を理解できず、適切な支援を受けられない状況が続いています。
目指すべき新たな支援モデル
本研究では「男性プレコンセプションケアプログラム」を実施し、妊孕性の維持を科学的にサポートすることを目的としています。このプログラムは、日常生活や健康への意識を高める手段としても機能し、不妊カップルの負担軽減や生活の質向上に寄与することを目指します。
特に注目すべきは、参加者が対象となるのは40歳未満の社会人男性で、約50名を募集しています。研究に参加することで、男性自身の妊孕性についての理解を深めることができるでしょう。
プログラムの具体的な内容
男性プレコンセプションケアプログラムは、以下のステップで実施されます:
1.
オンライン調査:15分間で生活習慣や妊孕性に関する調査を行います。
2.
PCC動画視聴:15分間のPCCに関する教育動画を視聴。
3.
セルフチェック:スマートフォン用の精子チェックキットを使って自己検査を行います。
4.
フォローアップ:1か月後に再度調査を行い、状況を確認します。
5.
カウンセリング:希望者には男性不妊に特化した専門家とのカウンセリングも充実しています。
日本における妊孕性の現状
調査によると、日本では男性が妊孕性に関する知識を持つ機会が極めて少ないことが明らかになっています。特に2018年に成立した成育基本法以降も、男性の生殖機能に関する知識は教育機関でほとんど教えられていません。その結果、不妊に対する誤解や無知が続いています。
プログラム参加の意義
この研究プロジェクトに参加することは、参加者自身の妊孕性の理解を深めるだけでなく、不妊問題に対する社会的な認知を高めるきっかけにもなるでしょう。このような支援モデルは、働く男性の健康が企業の生産性にも寄与するため、企業側にもプラスの影響を与えることが期待されます。
興味のある方は、オンラインフォーム(
こちらから)でのお申し込みをお待ちしております。
倫理的配慮
本研究においては、参加者のプライバシーと個人情報の保護を最優先に扱います。結果は統計的に処理され、個人が特定されることはありません。参加状況については所属企業へも公開することはありません。全ての調査は大阪信愛学院大学研究倫理委員会の承認の下で行われます。
現在、男女ともに妊孕性の向上が求められる社会において、この研究が新たな支援モデルの構築に貢献することを期待しています。