イーコスとカクヤスの新たな取り組み
はじめに
株式会社イーコスは、持続可能な未来を目指すために、廃棄物の再資源化スキームを構築するコンサルティングサービスを展開しています。この度、イーコスはカクヤスグループおよびレボインターナショナルと連携し、飲食店や家庭から出る廃食用油を持続可能な航空燃料(SAF)に再資源化する新しい取り組みを始めました。
SAFの背景
SAFは、廃食用油やバイオマスを原料に開発され、従来の航空燃料に比べて温室効果ガスの削減を実現すると期待されています。日本国内では事業系から年間40万トン、家庭系からは年間10万トンもの廃食用油が発生しており、これを有効利用する取り組みが求められています。
カクヤスの独自サービス
カクヤスは、年中無休で首都圏を中心に食品・酒類の販売を行い、独自の流通網を活用してビールの空樽や瓶の回収も行っています。この2Way型のサービスを活かして、廃食用油の回収も実現できるのではないかとの視点から、イーコスに相談が持ちかけられました。
廃食用油の回収スキーム
カクヤスの拠点で回収した廃食用油は社内の物流センターに集約され、最終的にレボインターナショナルに引き取られます。そこでバイオ燃料化され、再資源化のプロセスを経て利用される仕組みです。
取り組みの背景
株式会社カクヤスグループの五十川様は、この取り組みの発端について次のように語っています。「廃食用油が多くが廃棄される現状を改善したいとの思いから、廃食用油を効果的に回収し、持続可能な形で再利用するための取り組みを開始しました。」
運用上の課題
五十川様は、廃食用油の回収において、特に飲食店から出る一斗缶の取り扱いについて苦労したことも明かしています。一斗缶の開け方が様々で、こぼれないようにする回収方法を模索する必要がありました。その結果、自社で一斗缶専用の回収カバーを開発し、運搬時の漏れを防ぐ工夫を施したそうです。
今後の展望
廃食用油の回収は、2024年の6月から始動し、10月までに約20トンの油を回収することに成功したという五十川様。しかし、回収エリアをさらに拡大し、関西や九州でもこのサービスを展開する計画があります。家庭からの廃食油の回収方法を広めることが、今後の重要な課題とされており、自宅での回収を可能にすることで、広範なユーザーの参加を促そうという意図があるのです。
SDGsへの貢献
多くの飲食店がSDGsの影響を受けつつも、具体的な行動に移せずにいることを五十川様は指摘しています。それに対し、傾聴の場を設け、廃食用油回収の取り組みを具体的に提案することで、認識を高め、行動を促していく考えです。また、イーコス自身も全国の廃棄物処理業者とのネットワークを活かし、廃棄物の再資源化を推進するコンサルティングサービスを提供し、サステナビリティの重要性を広めていく使命を担っています。
さいごに
この取り組みは、廃食用油の無駄を省くことで、持続可能な未来の実現に寄与します。各社の強みを活かし、地域社会と環境に貢献する新たなモデルとして注目されることでしょう。