メキシコにおける新たな映像表現の探索
2026年9月、メキシコシティで開催される「Cinematic Quantum(CQ)」マスタークラスが注目を集めています。このイベントは、日本映画撮影監督協会(JSC)、文化庁、そして独立行政法人日本芸術文化振興会が協力し、映像表現の新しい地平を切り開くために設立されたものです。CQの目的は、単なる技術教育にとどまらず、日本と海外の映像シネマトグラファーとの文化交流を実現し、次世代映像表現の研究を進めることです。
なぜメキシコなのか?
近年、メキシコ出身のシネマトグラファーは、映画界で非常に印象的な存在感を放っています。彼らの作品は、美しい自然光の使い方や、空間と感情を結びつけるカメラワーク、人間の内面を掘り下げる長回し、さらに社会的な視点を組み合わせた映像設計が特徴です。メキシコの映像文化は、これまでにない新しい視点を私たちに提供してくれました。
CQでは、映像技術の習得に留まらず、土地や宗教、死生観、都市・家族観といった文化的要素が映像表現に与える影響について、現地で深く探求することを目指しています。メキシコでの学びは、単なる海外研修ではなく、日本とメキシコの映像における価値観の交差点なのです。
メキシコの映像表現が強い理由
メキシコのシネマトグラファーは、美しい映像を追求するだけでなく、光や影、沈黙、距離、湿度、そして社会や信仰といった、さまざまな要素を“思い”として画面に定着させています。このアプローチにより、彼らの映像は単に視覚を超え、感情を揺さぶる力を持っています。
日本とメキシコは意外にも似ている
一見、文化的背景が異なる日本とメキシコですが、実は多くの共通点があります。日本のシネマトグラファーは、メキシコの映像言語を理解できる可能性が高いのです。CQが目指すのは、技術だけでなく、日本の静けさとメキシコの激しさ、余白と迫力を融合させ、新しい映像言語を生み出すことなのです。
カリキュラムと教育の機会
CQマスタークラスは、単に教わる場ではなく、「対話しに行く」機会として位置づけています。AMC(メキシコ撮影監督協会)やASC(アメリカ撮影監督協会)の著名なシネマトグラファーとの交流を通じて、参加者は「世界のDPたちは何を目指しているのか」「なぜ彼らの映像が感動を生むのか」を発見することができます。
このマスタークラスでは、著名なシネマトグラファーを講師として迎え、彼らの豊富な経験と知識を聞くことができます。開催の数週間前に最終的な情報が発表される予定です。
開催概要
「Cinematic Quantum Master Class Mexico 2026」は、2026年8月31日から9月2日までメキシコシティで開催されます。主催は文化庁や日本芸術文化振興会、JSCなどで、AMCやASCも協力関係にあります。
教育テーマ(予定)
- - ラテンアメリカ映画の映像表現
- - 自然光と空気感の設計
- - 色彩設計と宗教観
- - 国際共同制作におけるコミュニケーション
- - 現地ロケーション研究など
マスタークラス終了後の9月3日から6日には、AMCによるイベント「Semana AMC」も予定されており、参加者はこの機会を通じて国際的なネットワークを広げることができます。
CQは、日本と世界の映像文化の架け橋として、国際的な学びの場として今後も挑戦を続けます。昨年はタイでのマスタークラスを成功させ、多くの参加者が新たな視点を得ることができました。