気候変動対策の現状
2019-12-16 13:02:26

気候変動対策の不十分な進展、政府と企業の改革が急務

気候変動対策の現状と課題



最近発表された世界経済フォーラムの報告書によると、気候変動対策が期待された進展を見せておらず、政府と企業が手を取り合って行動を強化することが急務であることが明らかになりました。この報告は、パリ気候変動協定から約4年が経過した中で、気温上昇を1.5℃に抑えるために必要な行動が一向に進んでいないという厳しい現実を突きつけています。

現状の問題点



具体的には、温室効果ガスの排出削減が年平均1.5%増加している一方で、パリ協定では年間3~5%の削減が求められています。このまま行動を怠り続けると、2100年までに気温上昇が3℃~5℃に達し、地球や社会に壊滅的な影響を及ぼす可能性が高いとされています。気候変動に関する政府間パネル(IPCC)も、2030年までに45%、2050年までに実質ゼロを達成するための方策を求めています。

政府の取り組みと国際的な情勢



すでに67か国が2050年までに排出量を実質ゼロにする方針を掲げているものの、具体的な支援や政策が伴っている国はごく少数です。現状、目標を設定している国はわずか16か国で、実効性のある政策を持つ国はさらに限られています。しかし、モロッコやインドのように前向きな取り組みを進めている国々も存在し、再生可能エネルギーの導入に向けた大胆な計画が進行中です。

地方レベルでも動きが見られ、南オーストラリア州や米国の数州では、再生可能エネルギーの比率を高める目標が掲げられています。このように、一部の地域では進展が見られるものの、国家的な取り組みにはまだ不十分な点が多く残されています。

企業の役割と現状



企業側でも、気候変動対策に対する意欲のギャップが浮き彫りになっています。約7,000社からのデータによると、全体のわずか3分の1が排出量を完全に開示し、具体的な削減目標を設定している企業は4分の1に満たないと言われています。特に短期計画と長期計画の間には大きな乖離があり、平均して見て短期目標での削減量は15%にとどまり、長期的には50%削減を目指すという現状です。

特に金融やエネルギーセクターの企業が、気候変動への取り組みにおいて先駆的な行動を見せていますが、他のセクターでは依然として力量に差があります。この背景には、短期的利益の圧力や明確な政策の不在が影響しているとされています。

政府と企業の協力の必要性



報告書は、2020年を気候変動対策の正念場と位置づけており、政府と企業の連携が更なる推進力を生むことを強調しています。企業は単に利益を追求する存在であるだけでなく、環境や社会に貢献する責務も帯びているという視点が重要視されています。

このように、気候変動に対する意識の高まりや、包括的な対応を通じた新たな道筋が問われています。時代の転換点において、意欲的かつ迅速に行動を起こすことが人類全体に求められているのです。水面下で起きている変革の兆しを見逃さず、積極的な行動を促進していきたいところです。

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