出産後の体調悪化、89%の女性が経験
最近の調査によると、出産後に体調が悪化することを経験した女性は89.1%にも達し、2021年から9.1ポイントの増加を見せています。この調査は、株式会社明日香が運営する「子ねくとラボ」が実施したものです。2024年または2025年に出産した女性110名を対象に、出産後の健康状態について定点調査が行われました。
産後うつの認知度は96.4%に
調査によれば、産後うつの認知度は96.4%と高い水準にあり、2021年から7.3ポイント上昇しています。産後うつは、妊娠中から出産後の数週間内に起こりやすいうつ症状で、多くの女性がその存在を理解しています。
女性たちの体調不良とその対応
体調悪化を経験した女性のうち、64.4%は医療機関や専門家への相談を行ったと回答しており、専門的なサポートの重要性が浮き彫りになりました。相談を決意したきっかけの多くは、家族やパートナーからの指摘や、自身では対処できないと感じたという状況です。これにより、早期の支援が必要であることが示されています。
実際、調査に参加した女性たちからは、「寝不足による頭痛やイライラ」、「不眠や強い疲労感」といった具体的な体調不良の声が寄せられています。具体的には、出産後の1ヶ月間まともに眠れなかった経験や、身体の歪みを感じる声もあり、これらは体調不良の深刻さを物語っています。
パートナーや家族の協力がカギ
育児におけるサポートの観点では、パートナーや実母の協力が高く評価されています。「とても協力していた」との回答はパートナーで51.8%、実母で41.8%となり、家族の役割が重視されていることが分かります。逆に、パートナーがあまり協力的でないと感じた女性の約8割が、身体や精神の状態に悪影響を感じたと答えています。
自治体の支援に期待
61.8%の女性が、育児や産前・産後の支援を自治体から受けたいと考えています。具体的なサポート内容としては、一時預かりサービスや地域の子育てに関する情報提供が希望されています。調査によると、これらのサービスは多くの母親にとって重要であることが示されています。
まとめ
この調査によって、出産後の健康管理において家族のサポートがいかに重要かが改めて確認されました。また、産後うつの認知度が高まっている一方で、心理的な問題を含めた出産後の体調管理の重要性が浮き彫りになったと言えるでしょう。今後、社会全体で育児を支える環境づくりが求められています。
出産後の体調や心の健康に関する課題は、個々の問題にとどまらず、家族や社会全体で解決していくべき問題です。この調査を契機に、より多くの人が出産後の健康について関心を持ち、適切な支援を受けられることが望まれます。