デジタルSCMサービスの新たな展開
日本の小売・流通業界は、グローバル化やプライベートブランド(PB)の強化などに伴い、複雑化したサプライチェーンの課題に直面しています。このような状況を打破するため、丸紅株式会社とo9ソリューションズが提携し、デジタルサプライチェーンマネジメント(SCM)サービスを強化することとなりました。
新たな提携のメリット
丸紅は、長年にわたるサプライチェーンに関する知見と多様なリソースを持ち、o9は高性能なソフトウェアを提供する企業です。このコラボレーションにより、それぞれの強みを活かしつつ、顧客の課題を迅速に解決することが可能になります。特に、小売・流通業に絞ったサービスの提供を目指しており、今回締結された「Strategic Cooperation Agreement」により、両社は緊密に連携していくこととなります。
さらに、NRI(株式会社野村総合研究所)もこの連携に加わり、システム導入やデータ分析分野での豊富な実績を活かし、さらに高度なサービスを提供していく見込みです。NRIが持つデジタル技術を用いた先進的な総合サービスとも結びつけ、データによって、顧客のニーズに合ったSCM機能を構築していく意向です。
市場の期待
デジタルSCMサービスは、サプライチェーンのデジタル化を進め、顧客にとってのコスト最小化や売上最大化を実現し、属人的な業務からの脱却を図るサービスとしての役割を果たします。特に、丸紅が提供するサービスは、商流・物流の一括受託やBPOを通じて顧客に寄り添い、PB比率の拡大や在庫削減といった課題解決にもつながります。
このように、デジタル化が進む中で、丸紅は独自の顧客ネットワークを活かしてo9の「o9 AI Platform」を活用し、より多様なニーズに応える提案を行う計画です。次世代のSCMソリューションをもたらすことが期待されており、業界全体に新たな基準が設けられるかもしれません。
企業の特色
- - 丸紅株式会社: 1949年に設立された総合商社で、ライフスタイルから金融、エネルギー、インフラに至る広範な事業領域を展開しています。顧客の多様なニーズに応えるため、国内外のネットワークを駆使しています。
- - o9ソリューションズ: 2015年からAIを搭載した統合計画プラットフォームを提供し、特に欧米では急速にビジネスを拡大。製造業から小売業まで、広範な業界に対してデジタルトランスフォーメーションを推進しています。
- - NRI: 1965年に設立された日本初の民間シンクタンク。コンサルティングやシステム開発の分野で豊富な知識と経験を持つ企業で、特にデータサイエンスに強みがあります。
まとめ
この3社の連携により、変化の激しい市場環境に対応するためのデジタルSCMサービスの構築が進められています。顧客企業のサプライチェーン改革と競争力の向上に向けた新たな動きが期待される中、各社の技術と知見がどのように融合し、新たな価値を提供するか注目です。