M&A市場の拡大とその影響を探る!
近年、日本のM&A(合併・買収)市場は急速に拡大を見せています。2023年においては、日本企業が関与したM&Aの金額が約17兆9000億円に達し、2022年と比較して5割増加しました。この成長は、M&Aに関連する職業市場にも大きな影響を及ぼしており、特に人材採用においては未経験者の受け入れが増加しています。
M&A市場拡大の背景
株式会社コトラが行った調査によれば、今後も日本のM&A市場は発展する可能性が高いとされています。特に以下の3つの要因が挙げられます。
1.
コーポレートカーブアウトの増加
日本政府が推進するコーポレート・カーブアウトによって、大企業は未使用事業を売却する動きが活発化しています。この結果、透明性やガバナンスの改善が進み、さらに大型案件の事業売却が期待されます。
2.
グロース投資の増加
最近では、スタートアップの資金調達が活発化し、IPOを遅らせる動きが広がっています。これにより、成長性の高い企業に対する投資が増加しており、PE(プライベートエクイティ)市場の成長が見込まれています。
3.
事業承継問題の解決に向けたPEの活用
日本国内では、経営層が高齢化しており、多くの企業が後継者不足に悩んでいます。PEを活用することでプロフェッショナルな経営陣に経営を委譲し、資本を提供するという新しい形の事業承継支援が注目されています。
採用マーケットの状況
M&A関連の業務が拡大する中、採用市場でも変化が見られます。特に中小企業における後継者問題が影響し、M&Aコンサルタントや関連職種の人材需要が増加しています。しかし、実際にはM&Aに関する知識を持つ人材が不足しており、業界で未経験者のポテンシャル採用が進んでいます。
企業は、コーポレートファイナンスや財務経験、プロジェクトマネジメント能力を持つ人材に目を向けており、特に実務経験があることが評価されるケースが多いです。
将来展望
2024年以降も日本のM&A市場における採用マーケットは拡大する見通しです。コーポレートカーブアウトやPEの活用が進む中で、新たな人材の流入が期待されます。これにより、M&Aに関する知見がない潜在的な人材も含まれ、多様なバックグラウンドを持つ人材が歓迎される環境が整いつつあります。
コンサルタント紹介
青島志朗氏は、名古屋大学を卒業後、証券会社やリクルートを経てM&A業界に身を置いてきました。M&Aポジションにおいて年間30名もの支援実績を持っています。
株式会社コトラについて
コトラは、「人が変われば企業が変わる」という理念のもと、人材のプロとして企業の成長をサポートしています。人材紹介や人的資本コンサルティングを通じて、さらなる業界の発展に寄与しています。