株式会社ファンペップ、SR-0379の臨床試験進捗状況の発表
株式会社ファンペップ(本社:大阪府茨木市)は、皮膚潰瘍の治療に向けて開発中の機能性ペプチド「SR-0379」の追加第Ⅲ相臨床試験の進捗を発表しました。この試験はSR0379-JP-SU-02試験と呼ばれ、これまでに目標症例数の半分にあたる71例の被験者が登録されていることが確認されています。
SR-0379の特性と期待される効果
SR-0379は、20種類のアミノ酸から構成される機能性ペプチドで、皮膚潰瘍の治療に特化して設計されています。特に、皮膚バリア機能の低下によって細菌感染が起こりやすい潰瘍のケースにおいて、細菌と感染のコントロールは極めて重要です。SR-0379は、以下のような特性を持っています:
- - 創傷治癒促進作用:血管新生や肉芽形成を促進し、創傷の治癒を助ける。
- - 抗菌活性:感染を抑制する性質を持っている。
- - 簡便な投与方法:常温保存可能なスプレー剤として提供されるため、さまざまな皮膚潰瘍の患者にも適用しやすい。
これらの特性から、SR-0379は高齢化社会において重要性が増す褥瘡や糖尿病性潰瘍の早期回復を促進し、患者様のQOL向上に寄与することが期待されています。なお、SR-0379の開発は塩野義製薬株式会社との共同で進められています。
臨床試験の過去の成果
ファンペップは、2021年6月から皮膚潰瘍患者を対象に第Ⅲ相臨床試験(SR0379-JP-SU-01試験)を実施しており、この試験では重要な成果が得られました。事後部分集団解析の結果、潰瘍サイズが36cm²未満の患者において、主要評価項目である「外科的処置に至るまでの日数」において統計学的に有意な改善が確認されました。さらに、この治験薬に関連する有害事象は検出されず、SR-0379の高い安全性も実証されました。この01試験の詳細は、2024年7月5日に公開される予定です。
02試験の概要と目標
追加第Ⅲ相臨床試験である02試験は、プラセボ対照二重盲検比較試験として設計されています。この試験では、SR-0379が潰瘍サイズが36cm²未満である皮膚潰瘍患者(目標症例数142例)に対して、SR-0379またはプラセボのいずれかを1日1回、28日間投与することで有効性と安全性を検討します。
ファンペップは、SR-0379の研究と開発を通じて、患者様の生活の質を向上させるための一歩を着実に踏み出しています。今後も進捗が注目されます。