ユカリアと木村情報技術が電子カルテ調査システムを発表
株式会社ユカリアと木村情報技術株式会社が共同で開発した電子カルテ定性データ調査システム「Patient Journey Visualizer」が、2025年3月3日から製薬企業向けにサービス提供を開始します。このシステムは、医療業界において革新をもたらす期待が寄せられています。
Patient Journey Visualizer の概要
「Patient Journey Visualizer」は、ユカリアが独自に構築した電子カルテデータベース「ユカリアデータレイク」内に蓄積されたデータを基にしたサービスです。このシステムは、医療に関する情報を視覚的に理解しやすくするため、グラフや図表を用いてデータを表示します。特に製薬企業のユーザーにとって、製品開発戦略の策定に貢献する「気づき」を与えることを目的としています。
主要な機能
1.
初期設定で1,000症例の閲覧
ユーザーは初期設定により、1,000症例を閲覧でき、必要に応じて症例の追加も可能です。
2.
定性テキストデータへのアクセス
医師所見や看護記録、薬剤師記録などのテキストデータも閲覧できるため、より深い分析が可能です。個人情報は匿名化されているため、安心して利用できます。
3.
視覚化されたデータ表示
検査値や投与薬剤はグラフ化されており、視覚的に理解しやすい形で表示されます。これにより、データの分析がスムーズに行えます。
4.
定期的なデータ更新
データは3か月ごとに更新され、最新の情報が常に利用できるようになっています。
5.
無制限のアクセス
利用者は年間契約を結ぶことで、期間中の制限なしにいつでもシステムにアクセスし、必要な情報を調べることができます。
6.
キーワード一覧の提供
特定のイベントに関連するキーワード一覧の提供も用意されており、必要に応じて有償で利用することができます。
開発の背景とニーズへの対応
ユカリアは、従来の方法では手作業で作成されていたペイシェントジャーニーの作成に関し、大きな時間を費やしていました。電子カルテを基にした「Patient Journey Visualizer」のリリースによって、このプロセスが大幅に効率化されます。
特に製薬企業においては、ペイシェントジャーニーを分析することで患者のニーズや疾患の経過について新たな洞察を得ることができ、製品開発においても大きな力を発揮することが期待されています。
ユカリアの目指す未来
ユカリアは「ヘルスケアの産業化」をビジョンとして掲げており、超高齢社会における社会保障費の増大に取り組む必要があると認識しています。そのために医療と介護の経営安定化や、医療従事者のウェルビーイング、患者サービスの向上を実現するための取り組みを進めています。「Patient Journey Visualizer」は、このビジョンの一環として、デジタル技術を活用して更なる品質向上を目指すものです。
今後、ユカリアは「患者起点のVBHCの追求」や「地域包括モデル」の推進を図り、医療分野におけるデジタル・トランスフォーメーション(DX)をさらに強化していく予定です。これにより、医療業界全体の効率化と質の向上を図り、より良い医療サービスの提供を目指します。
今後もユカリアと木村情報技術の取り組みから目が離せません。