シェルパと宝印刷、業務提携について
シェルパ・アンド・カンパニー株式会社(以下、シェルパ)と宝印刷株式会社(以下、宝印刷)が2025年7月7日付で業務提携に向けた覚書(MoU)を締結したことが発表されました。両社はそれぞれ、サステナビリティ情報の開示支援や法定開示書類の作成に強みを持ち、その協力を通じて日本企業のディスクロージャーの高度化を図ることを目指しています。
MoU締結の背景
近年、企業価値を評価する上でサステナビリティ情報の重要性が高まっています。特に、財務情報だけでなく、人的資本や環境保護に関する情報開示が求められるようになりました。各種の開示書類の形式が多様化する中、企業では情報の質と一貫性の確保が益々重要視されています。さらに、国家レベルでの新しい開示基準の制定が進んでおり、2023年からはサステナビリティ情報の開示が義務化されることも、企業にとっての大きな変化です。
このような背景の中、企業は非財務資本に関する情報開示の充実を図る必要があります。特に、サステナビリティ情報の提出に際しては、データの一元管理と信頼性の確保が求められていますが、情報の分散管理や開示業務の負荷困難も課題となっています。
提携の目的と内容
シェルパと宝印刷の提携により、両社は相互に強みを活かし合い、サステナビリティ情報と財務情報を統合的に扱う新たな情報開示の支援を実現します。具体的には、シェルパの「SmartESG」と宝印刷の「WizLabo」のAPIを活用し、データ連携を行うことで、企業はより簡便に情報を開示することができるようになります。
この提携により、以下の3つの主な内容が実施されます。
1.
APIによるデータ連携 - 両社のプラットフォーム間での情報連携を促進し、サステナビリティ情報の収集や分析を効率化。
2.
共同コンサルティングの提供 - サステナビリティ情報開示と経営支援に関するコンサルティングサービスを共同で展開。
3.
新ソリューションの開発 - ディスクロージャーに関する新たなソリューション開発に向けた知見の共有。
企業の役割
シェルパは、サステナビリティ情報の開示支援クラウド「SmartESG」を提供しており、60社以上の企業に利用されています。企業が必要とするサステナビリティやESG情報を一元管理することができ、これが投資家の要求に応える要素となっています。シェルパは、企業が持続可能な経営を進めるためのサポートを続けています。
一方で宝印刷は、ディスクロージャーとIRに文化として70年の歴史を持ち、累計約2,800社に利用されている「WizLabo」を中心に、法定開示における専門的な支援を行ってきました。高い信頼性に裏打ちされたこのプラットフォームは、企業価値を高めるための重要な役割を担っています。
まとめ
シェルパと宝印刷の提携は、今後のサステナビリティ情報開示の進化に向けた重要な第一歩です。企業のディスクロージャーが複雑化し評価される中で、両社が携手することによって、もっと効率的かつ透明性のある情報開示が実現されると期待されています。今後もこの協業の進展から目が離せません。