東京大学がWorldの分散型人間証明ネットワークに参画
東京大学の松尾・岩澤研究室が、Worldが推進する分散型人間証明プロトコル「World ID」に新たに参加することが発表されました。このネットワークは、AIの進化に伴うオンライン上の人間とAIの識別に関する新たな取り組みを目指しています。
背景
生成AIやAIエージェントの急速な進化により、従来の技術ではオンラインで相手が人間なのかAIなのかを判別することが非常に難しくなっています。これにより、従来有効だったキャプチャ認証やチューリングテストの意義が薄れ、AIによる制度の悪用やディープフェイクを用いた詐欺被害が拡大しています。こうした課題に対抗するために考案されたのが、「人間証明(Proof of Humanity)」の仕組みです。このアプローチは、「AIを制限するのではなく、人間側に一意性を持たせる」という新たな視点から生まれました。
AMPCネットワークの特性
松尾・岩澤研究室が参加するAMPC(匿名化マルチパーティ計算)ネットワークは、従来の特定企業や政府に依存しない分散型の設計が特徴です。東京大学は、UCバークレーのCenter for Responsible Decentralized Intelligence(RDI)やフリードリヒ・アレクサンダー大学、KAISTと共に、このネットワークの信頼性のある独立機関としての役割を担います。WorldやTools for Humanityは計算プロセスには関与せず、研究機関が運営することによって生まれる中立性と透明性がこの仕組みの信頼性を高める重要な要素となります。
松尾 豊 教授のコメント
東京大学の松尾教授は、生成AIやAIエージェントが急速に進化する今、画面の向こうにいるのが「人間」か「AI」かを判断することが従来の技術では難しく、今後極めて重要なテーマとなると述べています。Worldの提供する「人間証明」は、未来の情報システムを支える重要な基盤になることが期待されています。
Worldについて
Worldは、「実在する人間のネットワーク」を構築することを目指すプロジェクトで、Sam Altman、Max Novendstern、Alex Blaniaが関与しています。AI時代における「人間であることの証明」という機能は、すべての人々に提供されるべきです。
Tools for Humanityの役割
Tools for Humanity(TFH)は、人間を中心に据えたシステムを作り上げるために設立されました。Sam AltmanとAlex Blaniaが共同創業し、World IDやWorld Appの開発・運営を行っています。
東京大学 松尾・岩澤研究室について
松尾・岩澤研究室は、「知能を創る」ことをビジョンに掲げ、ディープラーニングやロボット研究を推進しています。基礎研究の成果を社会に還元することにも力を入れており、様々な企業との共同研究や学生の起業支援にも取り組んでいます。
お問い合わせ
詳細については、東京大学 松尾・岩澤研究室の広報担当までご連絡ください:
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