まちのてらこや保育園、消費者担当大臣賞を受賞
2015年9月に開園した「まちのてらこや保育園」は、地域に密着した新しい保育の形を提案し続け、ついに第15回キッズデザイン賞において優秀賞の消費者担当大臣賞を受賞しました。異なるジャンルの地域の職人や事業者と連携し、まち全体を保育の場と捉える独自のアプローチが高く評価されました。
受賞の背景
受賞の理由として、保育園の設計における地域との結びつきが大きな要因です。都市部に多いビルイン型のコンパクトな保育園であり、広大な園庭や遊具は限られています。しかし、この園は「まち全体が保育園」「まちのみんなが先生」として地域の特性を活かし、町の職人と協力しながら子どもたちの成長をサポートしています。
扇子屋や和菓子屋、和紙屋など、老舗の店舗が配置されたこの地域で、保育のフレームを超え、地域社会の一部としての役割を担っていることが評価されました。子どもたちは、地域の産業や人々と接することで、日常的に様々な学びを得て、自らの成長に活かしています。
共同申請での取り組み
まちのてらこや保育園の受賞は、地域の職人および設計者との共同作業により実現しました。以下の企業が協力し、子どもたちが安全で快適に過ごせる空間作りを行っています。
- - 設計・監理: 株式会社石嶋設計室
- - 設備設計・監理: 株式会社山崎設備設計
- - 照明設計・監理: 株式会社Mantle
- - 施工: 株式会社シー・スペース
また、国産木材を使用した家具製作を行ったlaboratory株式会社や、漆喰壁の左官工事を手掛けた株式会社長田左官工業も協力しています。
地域とのつながりを深める保育
保育園では、地域の文化や職人技に触れながら、子どもたちの創造力や思考力を育むことを目指しています。具体的には、地域の方々が持つ技術を直接学ぶ機会を設けたり、地元の産物を使ったイベントを開催したりするなどの取り組みが行われています。
「まちのてらこや保育園」は、ただ子どもを預かる場所ではなく、地域全体を活用した新しい学びの場として位置づけられています。この保育園が提供するのは、子どもたちが地域とつながりながら、人と人との関わりを深め、共に成長していく体験です。
今後の展望
今後もまちのてらこや保育園は地域社会との連携を強化し、保護者や地域の方々と共に子どもたちの育ちを見守っていくとしています。そして、地域の一員として子どもたちが「生きるちから」を身につけ、自立した大人へ成長することを目指しています。
このような地域密着型の保育のスタイルは、今後の子ども育成の新しいモデルとなることでしょう。保育の無限の可能性を感じさせる『まちのてらこや保育園』の取り組みから、今後も目が離せません。
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