オムロン サイニックエックス、国際会議「NeurIPS 2025」に参加
オムロン サイニックエックス株式会社(OSX)は、2025年12月にアメリカのサンディエゴで開催される「The Thirty-Ninth Annual Conference on Neural Information Processing Systems(NeurIPS 2025)」にて、革新的な研究成果を発表することを発表しました。この国際会議は、機械学習および人工知能(AI)分野において、世界最大規模かつ最も影響力のあるイベントの一つとされています。2025年には、21,575件の投稿の中から5,290件、つまり約24.52%の論文が採択され、その成果が披露されます。
OSXが今回発表する研究論文は、二つあります。一つ目は「Provably Efficient RL under Episode-Wise Safety in Constrained MDPs with Linear Function Approximation(線形関数近似を用いた制約付きMDPにおける、エピソード単位の安全性の下で理論的に効率保証された強化学習)」です。この論文は、特に注目度が高いとされ、Spotlightとして採択されています。
関連研究の紹介
1. 理論的に安全な強化学習アルゴリズム
この研究は、制約付きマルコフ決定過程(MDP)に基づいています。制約付きMDPは、安全性を重視した強化学習の枠組みとして広く用いられているものです。従来の手法では、エピソード全体の平均的な制約満足性を保証することが主な目的でしたが、本研究では各エピソードにおいて制約違反を回避するアルゴリズムを提案しています。この手法は、実際の環境での適用においても安全性を確保できることから、その実用性が高く評価されています。 その詳細は以下のリンクからご覧いただけます。
プレプリントリンク
2. ラベル改善の新アプローチ
もう一つの研究は「Self Iterative Label Refinement via Robust Unlabeled Learning(ロバストラベルなし学習を用いた自己ラベル改善)」というテーマで、特に大規模な言語モデル(LLM)に焦点を当てています。最近のLLMの学習方法では、訓練データを自ら生成する手法が増加しています。しかし、モデルが十分な知識を有していない領域においては、不正確な情報が生成される問題があります。これに対処するために、本研究ではラベルなし学習を活用して新たな手法を提案しました。このアプローチにより、学習データの質を向上させ、モデルの性能を高めることが期待されています。詳細はこちらから。
プレプリントリンク
オムロン サイニックエックスの役割
オムロン サイニックエックスは、オムロンが掲げる「近未来デザイン」の創出に取り組む戦略的拠点です。AIやロボティクス、IoTなど、幅広い分野の先端技術を駆使した研究が進められており、社会的な課題を解決すべく、ビジネスモデルや技術戦略を統合し、具体的な事業アーキテクチャの形でこのデザインを具現化しています。また、大学や研究機関との連携を通じて、イノベーションのスピードを加速しています。
オムロンの公式サイトや最新の活動については、以下のリンクからご覧ください。
このように、オムロン サイニックエックスの取り組みは、AIや機械学習の最前線で新たな挑戦を続けており、今後の発展が非常に楽しみです。