株式会社レゾナック(代表取締役社長 CEO:髙橋 秀仁)と関西大学(学長:高橋 智幸)は、昨年から新しい材料設計手法の開発に向けた共同研究を本格化させている。この研究では、樹脂やフィラーといった材料同士の相性を科学的に捉えるための「ハンセン溶解度パラメータ(HSP)」を活用する。HSPは、物質の凝集エネルギー密度を示し、すべての物質が持つ固有の値をマッピングすることで、材料同士の相溶性や分散性を定量的に評価するための重要な指標となる。
この度、関西大学イノベーション創生センター内に、レゾナックの実験室が設置され、産学連携の強化が図られている。レゾナックは高度な機能性材料を提供しており、その性能は材料同士の関係性に大きく依存しているため、この新しい分析手法は非常に重要だ。在籍する山本秀樹特別任命教授は、HSPに関する豊富な知識を持ち、同研究室では既にさまざまな知見が蓄積されている。
HSPの利用は、材料設計における新たな可能性を拡げると同時に、データベース化やデータ駆動型設計との親和性も高い。従来の HSP分析手法は手作業による工程が多く、測定対象材料にも制約があったが、この共同研究により、自動化や高速化を実現する新しい分析手法の開発が期待されている。この手法により、誰でも再現性の高い測定が容易に行えるようになると同時に、多様な材料を同じプラットフォームで評価できることが目指されている。
特別任命教授の山本氏は、「HSPを科学的に活用するためには、測定方法や解析方法の進化が不可欠だ」と述べ、同研究の重要性を強調。今回の共同研究を通じて、両者は実測データを基にした次世代型の材料設計の実現を目指す。レゾナックのCTO福島正人氏も、「新しい分析手法によって、材料同士の相性評価の精度と再現性を向上させる」とコメントしており、特に半導体向けの複合材料の設計にも寄与することが期待される。
2026年5月、関西大学のイノベーション創生センター内に設置されたレゾナックの実験室は、産学共同での研究環境を最適化するための機会を提供する。この新しい研究拠点での取り組みにより、HSPの利活用とともに、データに基づいた材料設計の高度化が進むことが期待されている。本共同研究は、単に新しい分析手法の開発に留まらず、産学の融合を通じた未来の材料開発に大きく貢献するものとなるだろう。
レゾナックは、近年の技術革新とともに、機能性化学メーカーとしての地位を確立し、幅広い素材や先端材料を展開している。関西大学との連携を活かし、さらなる成長と企業価値向上を追求していく方針だ。