デバイスの未来
2022-03-24 11:00:19

ウェアラブルデバイスの未来を変える国際標準化の動き

ウェアラブルデバイスの未来を変える国際標準化



近年、私たちの日常生活において、体調管理や運動の測定を目的としたIoTやウェアラブルデバイスが急速に普及しています。これに伴い、様々なメーカーが提供するデバイス間での互換性の欠如が問題となっており、データの連携や共有が難しい状況が続いています。この課題を解決するために、新たに提案されたのが「ウェアラブルセンサ信号のコンテナフォーマット」です。

この新しい技術は、センサ信号の標準化を目指しており、特に、経済産業省が公募した国際標準化に採択されたことを契機に進行中のプロジェクトです。このプロジェクトには、様々なエキスパートや企業が参加しており、国際的な視点から信号の取り扱いを共通化することで、製品間の連携を可能にするものです。

コンテナフォーマット技術の概要



「コンテナフォーマット」は、互換性を高め、5Gシステムとの連携を意識しながらデータの利活用を促進するための基盤技術です。具体的には、センサデバイスが取得したデータをエッジコンピューティングデバイスに送信し、そこでフォーマット化されることで、他のデバイスとの通信が容易になります。これにより、データの収納、処理、可視化がスムーズに行えるようになります。

利活用の可能性



この技術が特に期待される分野は「ヘルスケア・医療」です。Society5.0を実現するためには、高齢者支援サービスの充実が必要です。現状、多くのメーカーがそれぞれバラバラに取り組みを進めているため、効率的な展開が遅れているという問題があります。国際標準規格が確立されることで、迅速で柔軟な対応が可能となり、国内外において競争力を高めることが可能になります。

今後の展望



2023年内には国際規格が発行される予定であり、それに併せてリファレンスシステムの開発も計画されています。また、ウェアラブルセンサ信号コンテナフォーマット技術を広まるための組織設立も検討されています。このような取り組みを通じて、さらに多くの企業やユーザーが関与し、より効果的なサービスの提供が期待されています。

この技術の普及により、IoTやウェアラブルデバイスの接続性が飛躍的に向上し、産業やサービスが変革を迎える日は近いでしょう。日本から生まれるこの新たな技術が、どのように世界で受け入れられるか、そしてどのように社会を変えていくのか、今後の進展に大いに期待が寄せられています。

会社情報

会社名
公立大学法人広島市立大学大学院 情報科学研究科
住所
広島県広島市安佐南区大塚東三丁目4番1号
電話番号
082-830-1609

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