社会課題の自分事化
2024-07-25 13:35:19

社会課題への関心拡大と行動促進の新たな理論モデル

社会課題への関心拡大と行動促進の新たな理論モデル



近年、社会課題への意識が高まる中、それを実際に自分事として捉え、行動に結びつけるための新しい理論モデルが発表されました。NPO法人クロスフィールズは、法政大学大学院の石山恒貴教授、および株式会社ビジネスリサーチラボと共同で、社会課題を自分ごととして認識し行動を促進するための「社会配慮行動促進の理論モデル」を開発しました。このモデルでは、社会課題を自身の問題として捉える要素が「俯瞰」、「危機感」、「内発性」の3つであることが明らかになりました。

理論モデルの背景



クロスフィールズは2011年の設立以来、「社会課題を自分事化する人を増やす」という理念をもとに、ビジネスパーソンの社会課題に対する理解を深めるための越境プログラムを提供しています。13年間で3,000名以上の参加者がこのプログラムに参加し、社会課題への関心を高めてきました。しかし、これまで社会課題の意識がどのようにして育成されるのか、その効果を実証するモデルは存在しませんでした。

石山教授の協力のもと、2年以上の研究から新たに開発されたこの理論モデルは、社会配慮行動の測定を可能にしました。具体的には、983名に対して実施したアンケートにより、参加者が社会課題をどのように認識しているかを分析しました。この結果、社会課題への取り組みにおける行動意欲が、上記の3つの要素によって高まることが示されました。

3つの要素について



1. 俯瞰



俯瞰とは、「実は自分の行動や意識が社会課題と結びついているかもしれない」と感じる想像力を指します。この感覚が育まれることで、参加者は社会課題を遠いものとは感じず、自分の行動と関連づけることができるようになります。

2. 危機感



危機感は社会課題を重要な問題として認識し、自身の生活にも影響が及ぶ可能性を感じることです。課題に対して共感を持てない場合、他人事として捉えがちですが、危機感を持つことで個人の行動を促すきっかけとなります。

3. 内発性



内発性は、社会課題に対して自発的に取り組みたいという意欲を指し、個人の原体験や目標によって駆り立てられる意識を大切にします。

プログラム内容と成果



クロスフィールズは、2022年9月から2023年7月にかけて、社会課題体感フィールドスタディプログラムを実施しました。このプログラムに参加した88名のビジネスパーソンを対象に、参加前後のアンケートを実施したところ、特に「俯瞰」と「内発性」が参加後に大きく向上したことが確認されました。これは、参加者に内省を促すファシリテーションや、その想いや目的を言語化するワークが効果をもたらした結果と考えられます。

期待される今後の展開



今後、クロスフィールズはこの理論モデルを活用し、様々なプログラムの改善や社会インパクトの測定を進めていく予定です。プロジェクトの成果が広く発信され、自分事としての社会問題への関心がさらに高まることを目指しています。

関連コメント



法政大学の石山教授は、「社会問題を自分の課題として認識しなければ行動にはつながらない」という重要性を説き、今回の調査結果を通じて社会問題への注目がさらに高まることを期待しています。

また、ビジネスリサーチラボの伊達社長は、社会課題に対する理解を深め、具体的な行動を促すモデルの重要性を強調しています。これにより、理解が行動に結びついていくことが期待されます。

NPO法人クロスフィールズは、社会課題解決のための新たな道を切り拓くため、引き続き積極的な取り組みを行っていく方針です。


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会社情報

会社名
NPO法人クロスフィールズ
住所
東京都品川区西五反田3-8-3町原ビル4F
電話番号
03-6417-4804

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