Freezoの挑戦と1stRoundへの採択
株式会社Freezoは、冷熱を利用してカーボンニュートラルな社会を実現することを目指して、2025年に設立されたスタートアップです。最近、同社は東京大学が運営する国内最大の起業支援プログラム「1stRound」の第12回支援先に選ばれました。このプログラムは、大学や研究機関が協力して起業家を支援するもので、Freezoもその一員として様々な支援を受けることができます。
Freezoのビジョンと技術
冷凍冷蔵倉庫では、大量の電力が消費されており、その運営費の大部分が電気代に依存しています。近年、クリーンエネルギーへの移行が求められる中、電気料金が高騰していることもあり、多くの運営業者が経営に苦しんでいます。これを受けてFreezoは、独自のAIと数理最適化技術を活用して冷凍機を自動制御し、電気代を削減するシステムを開発しています。
東京大学での研究成果に基づくこの技術は、すでに物流業者や水産業者との共同実証が進められています。また、これにより最大26%の電気料金削減が実現されています。
東京大学からの評価
東京大学協創プラットフォーム開発株式会社の1stRound Director、長坂英樹氏は、Freezoの技術について高く評価しました。彼は、日本のコールドチェーン市場が1.8兆円規模であり、その中での電気代の重要性に言及し、Freezoが新しいアルゴリズムを通じて電力コストを削減できる可能性を期待しています。さらに、同社の取り組みは、電力の安定化や脱炭素社会の実現というマクロな課題にも貢献するものです。
Freezo代表のコメント
Freezoの代表取締役、水野竣介氏は、長年憧れたプログラムへの採択を光栄に思うとし、支援者への感謝を述べました。彼は、事業の発展に向けて、コールドチェーン業界や電力業界に貢献するためにチーム全体で取り組む意志を示しています。
「1stRound」について
「1stRound」は、大学に関連する優れた技術の社会実装を支援する国内最大のアクセラレータープログラムです。2017年から東京大学を母体に始まり、現在では国公立・私立大学、国立研究機関が参画しています。過去の採択企業は、約90%以上の資金調達成功率を誇り、大手企業との協業も増加していることが特徴です。このプログラムを通じて、技術シーズを活かしたスタートアップを育成し、起業家精神を強化する環境を整えています。
今後の展望と意義
Freezoは、冷凍冷蔵業界への革新を目指しています。再生可能エネルギーの余剰電力を冷熱として蓄える考え方は、持続可能な社会への第一歩です。冷凍冷蔵倉庫という未開発の資源に新たな価値を付与し、エネルギー効率を向上させるプロジェクトに期待が寄せられています。今後の展開に注目が集まります。
まとめ
Freezoが「1stRound」に採択されたことで、同社はさらなる技術革新と事業成長を目指して進化を遂げていくことでしょう。その取り組みは、カーボンニュートラル社会の実現へ向けた大きな一歩になります。