創業170年の集大成、地域との新たなつながり
安政2年、1855年に創業した萩原酒造は、2025年に創業170周年を迎えます。この歴史的な節目に、同社は創業以来ののれんを守るだけでなく、未来に向けて地域とともに新たな挑戦をすることを決意しました。これまで境町の土地と人々に支えられてきた萩原酒造は、今後どのようにそのバトンを未来へ渡していくのか、そのかたちを見直すタイミングを迎えています。
それに伴い、萩原酒造は「まもる」と「ひらく」をテーマにしたプロジェクトとして、新しいMVV(Mission/Vision/Value)を策定しました。これは単なる理念にとどまらず、地域とのつながりを深めるための礎となるものです。彼らのミッションは、地域の恵みと伝統的な醸造文化を引き継ぎながら、酒を通じて人々と地域を結ぶこと。そして、ビジョンは「新たな日本酒文化を境町から築く」ことを掲げています。加えて、彼らが大切にしたい価値観は、地域と共に生き、人とのつながりを大切にし、環境に配慮した持続可能な酒造りを目指すというものです。
170周年を祝い、つながりを強化する蔵開きイベント
新たに策定したMVVを体感できる「萩原酒造 蔵開き ~つながる、境の酒~」が、2025年5月24日(土)に開催されます。このイベントは地域の皆様への感謝の意を込めたもので、参加者たちが新しい酒とともに境町の美味しさを楽しむ機会となることでしょう。
イベントのテーマは「角打ち蔵まつり、つながるマルシェ」。当日は、MVVの発表に加え、新たなブランド展開に関する情報も紹介されます。特に注目したいのは、新生「萩原」の純米大吟醸酒3種類が初めてお披露目されることです。利き酒コーナーも設置され、試飲コインでの参加が可能です。また、地元のキッチンカーも出店し、美味しい飲食物が並びます。
具体的には、いちごマルシェや坂東太郎など、多彩な店が参加し、和菓子や焼き鳥といった飲食販売も行われます。物販コーナーでは利き酒で味わった日本酒を720ml瓶で購入できるほか、記念撮影スポットやガラポン抽選会も用意されるなど、盛りだくさんの内容が予定されています。
それに加えて、参加者には公共交通機関の利用が推奨されており、安心して訪れることができる環境が整っています。飲酒運転や未成年者の飲酒は法律で禁止されているため、注意が必要です。
地域を重んじる伝統の酒蔵
萩原酒造は、この170年の歴史の中で、日本酒の未来を見据えた新たな一歩を踏み出そうとしています。七代目の萩原康久杜氏は、2024年には茨城県が認定する「常陸杜氏」の資格を取得し、地域の豊かな資源を大切にしながら酒造りを続けています。これからも「天下の美酒」という看板を掲げ、日本酒の新たなあり方を追求しつつ、地域と共に未来を見つめる酒蔵として歩み続けることでしょう。改めて、170年の歴史は萩原酒造のスタート地点であり、今後の革新をも見逃せません。