2024年9月、株式会社True Data(以下、True Data)が発表したデータに基づき、食品スーパーマーケットでのコメの売上状況に変化が見られました。売上金額は前年同月に比べて26.6%増加したものの、売上個数は前年同月比で14.9%と減少しました。このような逆転現象は、一体何を意味するのでしょうか。
コメは今年に入ってから、すべての月で売上個数が前年同月比で増加していましたが、2024年9月初めて減少に転じました。これには、前月の8月の売上個数が約15%も伸びたことによる反動減が影響していると考えられます。また、コストの上昇に伴い、消費者の購入意欲に影響が出た可能性も挙げられています。9月におけるコメの平均売価は前年と比べて約1.5倍と大きく上昇しており、この価格上昇が買い控えを招く一因となっていることが考えられます。
また、ドラッグストアに目を移すと、2024年9月には訪日外国人にも人気がある「パック」商品の売上が前年同月比で27.8%増加しました。この商品は、日常的な使用が増えたことや、外国人観光客の需要が高まったことが売上増の要因とされています。
気温が記録的に高かった9月には、暑さが売上にどのような影響を与えたのでしょうか。この時期、ドラッグストアにおいては「男性用制汗防臭剤」が前年同月比で21.0%増加し、「氷」も同6.0%増加しました。食品スーパーマーケットでも「プレミアムアイス」が同10.1%増加するなど、暑さに伴う消費が見られました。
さらに、9月に食品スーパーマーケットで最も売上を伸ばしたのは「玩具菓子」であり、昨年同月比で大きく成長しました。具体的には、「バンダイ にふぉるめーしょん ワンピース 大海賊シールウエハース」のような商品が人気を博し、購買データ分析ツール「イーグルアイ」を用いた調査結果でも、その傾向が浮き彫りになりました。
これらのデータからも、消費者の行動の変化や市場の動向が如実に表れています。2024年10月以降、今後の消費動向がどのように変化していくのか、業界関係者の間では注目が集まっています。
True Dataは、全国のドラッグストアや食品スーパーマーケットのPOSデータを基に、年間5兆円規模の購買データを収集・分析しています。このデータの活用により、小売業や消費財メーカーが市場の動向を把握し、効率的な戦略を立てる助けとなっています。例えば、顧客理解や商品戦略の立案、販促施策の最適化など、DX時代におけるデータ活用の重要性が増しています。
株式会社True Dataは、消費者の購買行動を数十年にわたり記録してきた実績から、今後の動向予測に貴重なデータを提供しています。今回の報告は、これからの市場の変化を読み解く重要な手がかりとなることでしょう。