高槻市特産「服部越瓜」を使った奈良漬け作りが加熱中
高槻市で7月24日、地域の特産品「服部越瓜(しろうり)」を使用した奈良漬けの漬け込み作業が行われ、作業の最盛期を迎えました。この作業は、塚脇地区で地元の農家や漬物業者が協力して行うもので、毎年この時期になると活気を帯びます。
服部越瓜とは?
服部越瓜とは、大阪府高槻市発祥の伝統的な野菜で、その特徴は長さ約40センチ、重さ800グラム程度、くびれた形状と淡い白縞のある薄緑色の皮です。この特異な外観とシャキシャキした食感が広く人気を集めています。
この野菜は塚脇、西之川原、浦堂など、旧服部村周辺で栽培され、毎年7月初旬から出荷されます。こうした背景を持ちながら、服部越瓜は2005年度には「なにわの伝統野菜」に認定され、さらに2020年度には「大阪ミュージアム」にも選定されるなど、地方の文化と食を守る重要な役割を果たしています。
漬け込み作業の流れ
この日、塚脇地区の西之川原元町にある清水屋酒店では、店主の入江三郎さんが漬け込み作業を手際よく行っていました。シロウリは早朝に畑で収穫され、すぐに出荷されます。収穫後は、まず半分にカットして種を取り除き、1晩塩漬けにされます。翌日には塩抜きが行われ、その後、酒かすやその他の素材を用いて、木の樽の中に何層にも重ねて漬け込まれます。この工程を経て約1ヶ月後には奈良漬けが完成します。
入江さんは、「少し浅く漬けるのが特徴の服部越瓜の奈良漬けを多くの人に楽しんでほしい」と話し、地域の特産を広めるための熱意を表現していました。実際に、服部越瓜は家庭の食卓に並ぶだけでなく、地元の漬物業者へも出荷され、贈答用の高級奈良漬けとしても人気があります。例年8月上旬になると販売が始まり、地元のマーケットで瞬く間に売り切れてしまいます。
地域文化の結実
この漬け込み作業は、ただの食材づくりではなく、地域に根付いた文化を次世代へ繋いでいく重要な営みでもあります。服部越瓜を用いた奈良漬けは、味わい深いだけでなく、その背後にあるストーリーや地域の資源を大切にする姿勢が魅力を増しています。
高槻市ではこのような伝統的な食文化を大切にし、次なる世代に伝えていくための取り組みも行われており、今後も多くの人に愛される地域の特産品として成長してくことが期待されています。ぜひ、服部越瓜を使った奈良漬けを味わい、その魅力を実感してみてはいかがでしょうか。