シェ・イノの手島シェフが山梨県の若手料理人を育成

山梨の美食文化を彩る手島シェフの技術指導

山梨県はその豊かな自然と地域資源を活かし、全国有数の美食の地として知られています。特に、ワインや新鮮な地元食材が多く生産されており、この地で独自の美食文化が育まれています。その中で、フランス料理の名店『シェ・イノ』の手島純也シェフが、次世代の料理人を育成するためのセミナーを開催しました。これにより、山梨の美食文化がさらに深まることが期待されています。

今回のセミナーは、山梨県が推進する「美酒・美食王国やまなし」の取り組みの一環として、晴れ渡る11月11日にIWAI TERRACE（甲州市勝沼町）で行われました。約40人の若手料理人が参加し、手島シェフから直接学ぶ貴重な機会を得ました。

セミナーの冒頭、手島シェフは参加者に向け、「何でも質問してください。私の技術を通じて、美味しさの秘密を体感して欲しい」という熱いメッセージを送りました。参加者たちは、手島シェフの調理に目を奪われ、アドバイスをメモする場面が多数見受けられました。

実演では、山梨県名産の魚「富士の介」と、地元のジビエ「やまなしジビエ（鹿肉）」を使用した料理が披露されました。手島シェフは、富士の介を用いた「ミキュイ　ソースアルベール」と、鹿肉の「パイ包み焼き」を上手に仕上げ、地元食材の新たな魅力を引き立たせました。特に、富士の介に関しては「過度に加熱しないことがその味を最大限に生かすポイント」と解説し、技術的な視点からも意義のある講義を行いました。

参加した料理人たちは、料理の完成後、感想と意見交換を行い、手島シェフからの料理へのアプローチについて深い理解を得ることができました。一人の男性参加者は、「尊敬する手島シェフの考え方を学べた事項が特に嬉しかった。自分との違いを意識することで、さらなる成長が期待できる」と興奮した様子で語りました。

今後も、山梨では、こうした技術向上セミナーやイベントを通じて、県産食材の魅力を広げる取り組みが続く予定です。観光、産業、農業の各分野が相互に連携し、「グルマン・エコノミー（美食経済）」としての魅力を発信しつつ、地域の活性化を図っていくでしょう。こうした取り組みがこの地域をますます活気ある場所へとしていきます。

手島純也シェフの経歴

1983年、山梨県に生まれた手島シェフは、地元の老舗フランス料理「キャセロール」で腕を磨いた後、フランスの名門レストランで数々の経験を積みました。2007年には帰国し、和歌山で料理長を務めた後、2023年に東京・京橋の『シェ・イノ』に就任しました。彼の料理のスタイルは、常に地元の豊かな食材を重視し、その魅力を最大限引き出すことが特徴です。

このような背景から、山梨県の料理界において手島シェフの指導は、参加した若手料理人にとって非常に有意義であり、地域の美食文化の発展に大いに寄与するものであることは間違いありません。