訪問治療制度見直しが引き起こす国民皆保険への影響
2026年2月5日、東京・永田町の衆議院議員会館で、全国の訪問鍼灸・訪問マッサージ事業者らが集まり、「訪問治療で国民を守る会」の第6回会合が行われました。この会合では、厚生労働省の担当者と意見交換をしながら、現在の療養費制度やガイドラインの見直しを求める陳情書を提出しました。
この取り組みは、全国的に訪問治療店舗を展開する「からだ元気治療院」を中心として、日本医療介護保険協会と一般社団法人日本介護事業連合会が共催しています。日本の高齢化が進む中で、通院が難しい高齢者や障がい者が増加し、訪問型の治療法がますます重要視されています。しかし、現行の制度は実際のニーズに応えていないことが指摘されています。
規模の大きな訪問治療業界が集まり、改善策を提案する意義
訪問治療は、高齢者が住み慣れた地域での生活を維持するための重要な医療インフラとされています。しかし、制度と現場の実態に大きな乖離が生じており、患者や施術者に負担がかかっています。これは、国民皆保険制度を支える根幹に関わる問題です。
厚生労働省の担当者による説明では、今後のガイドラインの見直しについての方向性が示されましたが、参加者からは、現在の制度が国民の受療権を侵害し、憲法第25条に抵触しかねない状況であるとの強い声が上がりました。
具体的な改善要望としては、以下の点が挙げられています:
- - 同一建物内での施術に関する算定基準の見直し
- - 療養費単価の引き上げや処遇改善手当の新設
- - 返戻問題や同意書問題に関する是正策の開示
- - 鍼灸の保険適用に関する指導の強化
- - マッサージ料金の基準に関する再考
業界のリーダーたちによる強いメッセージ
日本医療介護保険協会の理事長である林秀一氏は、「訪問治療は、国民の生存権や受療権の理念に密接に関わる問題であり、制度の見直しは急務です」と語りました。彼は、この問題が国民皆保険制度の根底を揺るがすものであるとの認識を示し、現場の声をしっかりと国に届けていくことを強調しました。
一方で、日本介護事業連合会の会長、愛知治郎氏も、「訪問治療が持続可能な制度となることは、介護・福祉現場の安定につながります。医療と介護を総合的に位置付ける制度設計が不可欠です」と述べ、地域医療の維持に向けた改善が求められるとしています。
今後の展望と課題
訪問治療で国民を守る会は、今後も厚生労働省との意見交換を続け、制度の改善に向けた取り組みを強化していく方針です。患者が必要な医療を平等に受けられる制度の実現には、関係者全員の協力が不可欠です。
今回の会合では、多くの現場の声が共有され、しかし現行の法律や制度が如何に重要であるか、そして何が改正されるべきかについての議論が交わされました。高齢化社会を見据えた新たな制度設計が求められています。このまま放置すれば、国民皆保険制度自体が危機的状況に陥りかねません。
我々の健康を守るために、訪問治療制度の見直しは避けて通れない道なのです。