大阪・関西万博での3Dサイネージ導入の背景
2025年に開催予定の大阪・関西万博では、さまざまな企業が最新の技術を活用した取り組みを行っています。その中でも特に注目されるのが、NTTドコモビジネスとDrootsが共同でセブン‐イレブンに導入する3Dサイネージです。
コンビニエンスストアの新たな挑戦
コンビニエンスストアは、日々多くの顧客が訪れる重要な小売店舗です。特に、商品PRや広告施策に力を入れるコンビニは多く、その中でもデジタルサイネージの活用が進んでいます。これにより、店内での顧客の動きや興味を把握し、効果的なマーケティング活動を展開することが期待されています。
従来、デジタルサイネージの効果を検証する際には、来店客のプライバシーに配慮する必要があり、導入が難しい状況にありました。しかし、今回の取り組みでは、プライバシーを保護しながらも新たな分析技術を用いることで、購買効果を明らかにしようとしています。
3Dサイネージと映像解析の役割
この新たな試みでは、セブン‐イレブンの店舗に設置される「Dimpact(R) 3D Holovision」を利用し、商品を3Dで視覚化します。これにより、来店者の目を引き、商品の認知度を高めることを狙っています。店舗の入り口近くに設置することで、顧客が実際の商品を立体的に見ることができ、購買意欲を高める役割も果たします。
さらに、ドコモが開発した「VisionBoost(R)」を使用した映像解析技術により、顧客の行動を細かく分析します。この技術は、来店客の骨格情報だけを抽出し、プライバシーに配慮した形で行動を解析するものです。解析結果をもとに、来店客の性別や年代、そして目線を可視化し、3Dサイネージの視認率や購買動線を確認します。
データによる購買行動の可視化
この取り組みの最大の目的は、顧客が商品をどのように認知し、購買に至ったのかをデータとして明らかにすることです。これまでのPOSデータでは見えなかった顧客の行動を可視化することで、マーケティング戦略や店舗改善につなげることが可能になるでしょう。何が購買を促進しているのか、どのサイネージが最も視認されているのかなど、具体的なデータをつかむことが今後の小売業にとって非常に重要です。
実施期間と今後の展望
本取り組みは、2025年の9月17日から10月13日まで実施される予定です。その期間中に得られるデータをもとに、店舗でのサイネージや商品開発の改善が期待されています。
今後、効果検証が完了した際には一般店舗への導入も視野に入れ、収集したデータを市場に生かす方針です。また、無人店舗での効率的な運営支援なども考えられ、デジタル化が進展する小売業界のさらなる成長が期待されます。
まとめ
NTTドコモビジネスとDrootsによる3Dサイネージの導入は、セブン‐イレブン店舗における新たなPR戦略として注目されています。この取り組みを通じて、未来の小売業のカタチが見えてくるかもしれません。大阪・関西万博という大舞台での試みが、どのような効果をもたらすのか非常に楽しみです。