災害時に役立つ携帯発電機とポータブル電源の注意点
毎年9月1日は防災の日です。この日をきっかけに自然災害への備えを再確認しましょう。特に、非常時に重宝する携帯発電機やポータブル電源について、その正しい使用法と事故を防ぐための注意点をお伝えします。
1. 事故の概要
自然災害による停電時、携帯発電機やポータブル電源が必須になりますが、これらの機器の誤った使用法によって思わぬ事故が発生することがあります。また、停電復旧後の通電火災も重大な危険の一つです。これらのリスクがどのように生じるか、具体的な事例を見ていきましょう。
1-1. 携帯発電機の注意事項
携帯発電機は、ガソリンや軽油などを燃料とし、エンジンを利用して電気を生成します。持ち運び可能なこの機器は、キャンプや災害時に非常に役立ちますが、使用に関しては十分な注意が必要です。
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屋内での使用は禁止:発電機の稼働中に発生する一酸化炭素は非常に危険で、屋内での使用は中毒事故を引き起こす可能性があります。停電時でも、屋外で風通しの良い場所で使用してください。
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後続の事例:2018年北海道での事故では、家庭で使用中の発電機によって一酸化炭素中毒が発生し、1名が亡くなるという痛ましい事故も報告されています。使用方法がきちんと守られなかった結果です。
1-2. ポータブル電源のリスク
ポータブル電源は、リチウムイオン電池を内蔵した充電式の蓄電装置です。扱いを誤ると発火や爆発といった事故につながる可能性があります。特に注意が必要な点は以下の通りです。
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落下や激しい衝撃への配慮:ポータブル電源が急激な衝撃にさらされると、内部のバッテリーが異常をきたし、発熱や火災を引き起こすことがあります。
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湿気に注意:湿度の高い場所や水浴び状態にある場合は、使用を避けるべきです。実際に、2022年の宮城県での事例では、湿気の浸入に伴う異常発熱から発火した事故があります。
2. 通電火災の危険性
停電が復旧した後も新たな危険が潜んでいます。それが通電火災です。例えば、停電直後に使用した電熱器具が誤って動作し、周囲の可燃物に引火することがあります。これを防ぐための対策も重要です。
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慎重な製品チェック:停電復旧後には、電気製品に異常がないか確認することが不可欠です。外観に損傷がなければ、小心翼翼に再通電を行い、異常音や異臭がするものは直ちに停止してください。
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必要な準備:特に避難を強いられた場合には、可能であれば事前に分電盤のブレーカーを落としておくと、通電に伴う事故を防ぐことができます。
3. 消費者自身の確認が不可欠
正しい使用法を心得て、自分自身と家族を守るための準備が必要です。また、携帯発電機やポータブル電源の中にはリコールが発生している製品もありますので、使用前に公式のリコール情報を確認し、安全対策を徹底してください。
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消費者庁リコール情報サイト
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製品評価技術基盤機構NITE SAFE-Lite
防災に備えた年に一度のこの日を忘れず、適切な知識を身につけ、万全の準備をしておきましょう。自然災害はいつ発生するか分かりませんが、備えることでリスクを大幅に減らすことができます。