ヤヨイ化学工業の新たな挑戦
創業90年以上の歴史を持つインテリア用接着剤メーカー、ヤヨイ化学工業株式会社が、新たに「YAYOI NŌKŌ PROJECT」を立ち上げました。本プロジェクトは、同社が持つ技術と環境を生かして農作物の育成に注力するもので、地域社会への貢献も視野に入れた取り組みです。
プロジェクトの背景
富山県高岡市に本社を置くヤヨイ化学工業は、1932年に設立以来、接着剤や補修剤の製造・販売を行ってきました。その中でも、特に壁紙用接着剤の分野で高いシェアを誇っています。しかし、近年の食糧問題や耕作放棄地の拡大といった課題を考慮し、新分野への進出を決断しました。昨年、法人設立50周年を迎えたことを機に、住環境の改善から食の領域まで、生活の質の向上へと活動を拡大する姿勢を固めたのです。
YAYOI NŌKŌ PROJECTの具体的内容
「YAYOI NŌKŌ PROJECT」は、以下の三つの主要事業から構成されています。
1.
ファーム事業
農業に対する貢献と、食料問題の解決を目的に、完全閉鎖型の制御環境を利用した水耕栽培で果物や野菜の生産を行います。ヤヨイ化学工業が培った品質管理技術を駆使し、高付加価値の農産物を目指します。
2.
エリア再生事業
水耕栽培技術を活用し、耕作放棄地や公共施設など、地域に存在する未活用資産の再生を図ります。この事業は地域の環境改善にも寄与することが期待されます。
3.
雇用促進事業
ファーム事業およびエリア再生事業から生まれる仕事を通じて、持続可能な雇用を創出し、地域経済に貢献します。
初回プロジェクトは水耕栽培メロン
「YAYOI NŲKŌ PROJECT」の第1弾として、水耕栽培によるメロン作りを始めました。射水工場内にパイロット設備を設置し、メロンや葉物野菜の栽培技術の開発に取り組んでいます。特に、工業製品の生産現場で培った技術を活用して、より高品質な農産物の生産を目指します。完成したメロンは、屋外では味わえない独特な風味を持つものになるのだとか。
現在、栽培開始から3ヶ月が経過し、収穫が間近に迫っています。完全閉鎖型の栽培室では、温湿度が厳密に管理されており、外部からの害虫の侵入を防いでいます。さらに、LED照明を用いることで、最適な光条件を提供し、メロンの成長を促進させています。
今後の展望
ヤヨイ化学工業は、2025年までに独自の培養技術を確立し、栽培されたメロンや葉物野菜を市場に投入することを目指しています。この新規事業は、同社のこれまでの実績を活かしながら、地域への貢献や持続可能な社会の実現に向けた新たなステップです。インテリア用接着剤だけでなく、農業分野でも高い技術力を発揮するヤヨイ化学工業の今後の展開が注目されます。
企業情報
ヤヨイ化学工業株式会社は、以下の通りです。
- - 設立: 1932年4月
- - 代表者: 二口 真
- - 資本金: 3,600万円
- - 所在地: 富山県高岡市下麻生4649
- - 従業員数: 132名
- - 事業内容: 建築インテリア用接着剤および関連施工機器の製造
詳しい情報は、
公式サイトをご覧ください。