高校生が奮闘!「ナツボラ」プロジェクトの力
山梨県南アルプス市にある認定NPO法人フードバンク山梨が、給食のない夏休み中に実施している「ナツボラ」プロジェクト。その目的は、子どもがいる世帯へ食料支援を行うことです。2024年8月には、約900世帯に対して支援を予定しています。このプロジェクトにあたるボランティア活動に、多くの高校生が参加しているのが大きな特徴です。
「ナツボラ」活動の現状
2023年度、フードバンク山梨には約230名の高校生が集まり、食品の箱詰めやお米の袋詰め作業に参加しました。この活動を通じて、食品ロスや貧困問題に目を向け、自分たちの地域の課題解決を実感する貴重な体験を得ています。それだけでなく、各高校の生徒会が主体となって行う「スクールフードドライブ」によって、地域の連携も広がっています。
「スクールフードドライブ」は、山梨県内のほぼすべての高校で行われており、生徒たちが食品の寄付を呼びかけるだけでなく、保護者の協力も得ています。これにより、得られた寄付は夏休みや冬休みをサポートする食料支援に活用されています。このプロジェクトは、地域の中でボランティアの概念を広め、助け合う文化を育むことを目指しています。
「ナツボラ」の背景と意義
「ナツボラ」という言葉は、寄付した食品の行く先に興味を持つ高校生たちの声を受けて誕生しました。参加することで、食料支援に対する理解を深めることができ、地元の人々の笑顔を直接感じることができる貴重な機会となっています。高校生には、他人に迷惑をかけることを避けたり、人目を気にしすぎたりする傾向がありますが、このようなボランティア活動を通じて、誰もが困難な状況に直面する可能性があることを理解し合っています。
地域との連携の進展
高校生のボランティア活動は地域全体にも影響を与えています。東海大学付属甲府高等学校では「フードドライブプロジェクト」を実施し、生徒や教職員、保護者だけでなく地域住民にも食品の寄付を呼びかけています。学園祭では、持参した食品の量に応じて無料で縁日を楽しむことができる企画も予定されています。これにより、生徒たちは地域社会と直接的に繋がり、支援の輪を広げています。
今後の展望
2024年も、さまざまな高校から延べ190名がボランティア活動に参加する予定です。フードバンク山梨の取り組みは、地域での食品ロス削減や生活困窮者の支援が求められる中、社会貢献の道を切り開く力となることでしょう。また、この活動を通じて、多くの若者が「支え合いの社会」の重要性を学び、実践していくことが期待されています。
「ナツボラ」プロジェクトは、高校生が地域を支える活動として、今後ますます注目されることが予想されます。若者たちが作り出す地域の温かい支え合いの輪に、さらに多くの人々が参加し、共に助け合う社会を実現していきましょう。