日本酒の魅力を描く革新アニメーションドキュメンタリー『The Taste of Water』

日本酒の魅力を味わう旅へ

合同会社ズーパーズースが手がける革新アニメーションドキュメンタリー『The Taste of Water』が、2025年7月からの撮影開始を予定している。この作品は、日本酒を巡る奥深い旅を描き、文化や歴史、記憶が交錯する様子をアニメーションで表現する。

あらすじ

本作の主人公、オオカドは、日本酒を通じて父との思い出を辿る旅をすることから物語がスタートする。「水のようだ」と評された日本酒が何を意味しているのかを探る彼は、酒酵母の精霊コボくんと共に日本各地を巡る。酌み交わされた一杯を通じて、オオカドは日本酒の文化や土地の記憶に触れながら、感覚と記憶の重なりを感じるのだ。

作品の魅力

『The Taste of Water』は、日本酒の「味」を独自のイマジネーションで描く全5章から構成されている。特に、第4章「日本酒の危機」は印象深く、日本酒業界が直面するさまざまな課題を浮き彫りにする。この章では、地震で倒壊した酒蔵が、長年の伝統と共に醸造してきた酵母を失う危機に直面し、ライバルと協力して奇跡のコラボ酒を仕込むという感動の物語が展開する。

アニメーションの重要性

この作品は、実写映像では伝えきれない日本酒の五感をアニメーションで体感させる。アートスタイルには水彩タッチが取り入れられ、日本酒の透明感や香りを視覚で楽しめる表現がなされている。味覚をイメージ化することで、日本酒の豊かさや多様性が浮き彫りになるのだ。

国際映画祭での評価

本作は、2025年6月にフランス・アヌシー国際アニメーション映画祭でのプレゼンテーションを予定しており、この機会に海外のアニメーション関係者から高い評価を受けることを目指している。東京都の支援を受け、国際的な展開にも力を入れていく。

監督からのメッセージ

本作の監督、大神田リキは、日本酒との出会いから得た衝撃を表現することに力を入れている。彼は、目には見えない味や記憶、感情をアニメーションを通して描くことで、視聴者に再発見の楽しさを提供したいと語っている。日本酒は単なる飲み物ではなく、文化そのものを感じさせるもの。これこそが「水の味」の本当の意味だと考える。