横浜美術館コレクション展「戦後80年特集展示」の魅力に迫る
2025年、終戦80周年を迎えるにあたり、横浜美術館では戦争と美術をテーマとした特集展が開催されます。この展示は、戦争や社会との関わりについて考えさせられる貴重な機会となるでしょう。展示される作品は約115点に及び、戦争の影響を受けたアーティストや写真家たちの足跡をたどります。
戦後80年特集展示「平和であることへの、控えめな何かを」
展示タイトルは近年新たに収蔵された作品を手掛けたアーティストである戸村浩の言葉に由来します。戸村は日中戦争の最中に中国で誕生し、家族全員を戦争から守り抜くことができたという自身の経験をもとに、その意味を考えました。この特集展では、争乱の時代を生きたアーティストたちが、いかにして戦争や社会に向き合い、表現活動を通じて不平等や暴力に抵抗してきたのかを探ることができます。
奈良原一高の「Blue Yokohama」初展示
特集の一環として、奈良原一高の写真シリーズ「Blue Yokohama」も初めて展示されます。この作品群は、1959年に撮影されたもので、横浜の多様な文化が描かれています。特に、在日米軍の住宅地で遊ぶ子どもたちや当時の中華街で生活する人々、港に停泊する外国船など、横浜の風景を美しく捉えています。このシリーズの全43点が公開され、観る者を未だ見ぬ世界へと誘います。
新たな写真集の刊行も
展示会期中には、奈良原の作品集『Tokyo, the `50s/Blue Yokohama』が再出版される予定で、特集展示と相まって期待が高まります。
ハイライト企画の実施
今回のコレクション展では、初めての試みとしてハイライトコーナーも設けられています。こちらではサルバドール・ダリ、ポール・セザンヌ、奈良美智の名作が紹介され、それぞれの作品の共通点や特長についても触れられます。また、親子で楽しめる「子ども解説」も用意され、家族での訪問にもぴったりです。
ギャラリートークなどの関連イベントも
訪問者がより展示を深く楽しめるように、学芸員やエデュケーターによるギャラリートークが行われます。さまざまな切り口で作品の見どころを説明し、観覧者の理解を助ける試みです。具体的な日程は2025年7月18日、8月2日、8月22日、8月30日を予定しており、参加は無料ですが、当日有効の観覧券が必要になります。
開催概要
横浜美術館の特集展示は、2025年6月28日から11月3日までの期間で開催されます。開館時間は10時から18時で、木曜日は休館です。観覧料金は一般500円、大学生300円、中高生100円、小学生以下は無料と、非常にリーズナブルです。この機会にぜひ、横浜美術館を訪れて、戦後80年の節目にふさわしい作品を楽しんでみてはいかがでしょうか。
お問い合わせ
横浜美術館の詳細については、公式ウェブサイトやお電話(045-221-0300)での確認が可能です。ぜひ、多くの皆様のご来場をお待ちしております。