7月30日は人身取引反対世界デー
毎年7月30日は、世界中で人身取引の撲滅を呼び掛ける日として定められています。この日を機に、私たち一人ひとりが人身取引の実態について深く理解し、被害者の増加を防ぐために何ができるのかを考えることが重要です。
日本における人身取引の現状
人身取引は、日本においても深刻な人権侵害となっています。最近の調査によると、被害者の約33%が子どもであり、残念ながら、彼らは大人よりも暴力を受ける確率が2倍高いとされています。これは、子どもたちが無防備であること、そして犯罪者が巧妙に彼らをターゲットにすることが多いからです。
加えて、人身取引の被害は、年齢や性別、国籍を問わず半数以上のケースで家族や友人が関与していることが分かっています。このような実態は、被害者が逃げ出すことを難しくし、ますます被害が拡大する原因ともなっています。
IOMの取り組み
国際移住機関(IOM)は、世界190カ国以上で人身取引対策を推進する国連機関です。IOMはこれまでに10万人以上の被害者に直接手を差し伸べ、その活動は国際的にも高く評価されています。日本国内でも、IOMは政府やNGOと連携し、保護された人身取引被害者への直接支援を行っています。
例えば、設備の整ったカウンセリングや社会復帰支援(医療、職業訓練など)を通じて、約362名の帰国を支援し、222名が母国での生活を再構築する手助けをしてきました。
残された課題
とはいえ、依然として課題は残ります。デジタル空間での人身取引への取り組みが不十分なため、特にソーシャルメディアやオンラインゲームを利用した勧誘が増加しているのが現状です。スムーズに摘発できない加害者に対抗するためには、さらなる国際的な協力が必要です。
人身取引被害者の声
IOMの支援を受け、このほどフィリピンへ帰国した被害者のインタビューも行われています。彼女は、過去の苦しみを乗り越え、再出発を果たすための支援を受けた経験を語っています。彼女の声に耳を傾けることは、私たちがこの問題をより深く理解する手助けとなるでしょう。
結論
人身取引は日本国内でも重要な問題であり、私たち一人ひとりがこの事実を理解し、行動を起こすことが求められています。もしも周囲に労働を強いられている外国人を見かけた場合、安全な手段で最寄りの警察署に知らせましょう。これからも人身取引の撲滅に向けた意識を高め、行動を共にしていきましょう。