愛知県環境調査センターがコミッショニング賞を獲得
愛知県名古屋市に位置する「愛知県環境調査センター・愛知県衛生研究所」が、空気調和・衛生工学会コミッショニング賞を受賞したとのニュースが発表されました。この受賞は、株式会社久米設計が基本設計及び性能検証を担当し、大成建設と高砂熱学が協力する形で実現したもので、ZEB(Nearly Zero Energy Building)の達成に向けた取り組みが評価されたことになります。
ZEB実現に向けた先進的アプローチ
この施設は、「環境首都あいち」を目指す愛知県の意向のもと、最先端の省エネ技術と創エネルギー技術を導入しています。具体的には、性能検証を通じて確信を持ったZEBの実現が行われました。愛知県が設けたコミッショニング(性能検証)制度により、久米設計は工事監理や設計監修の中心的役割を果たし、運用段階に至るまで繰り返し実施される検証を行いました。
この継続的な検証により、建物の運用開始から4年の期間でnet ZEBの達成と大幅なCO2排出の抑制が実現されました。受賞者は、この点について「カーボンニュートラル実現においても重要なプロセス」と評価されており、多くの方々の協力と努力があったからこそ、この成功が実現したと感謝の意を表しています。
環境設備と性能検証の要素
本施設では、熱源設備に自然エネルギーを活用した革新的なシステムが採用されています。具体的には、太陽熱と井水熱を利用したコージェネレーションシステムが特徴です。加えて、次世代人検知センサーを用いた省エネ換気設備や照明システムも導入されています。性能検証は、愛知県が発行した技術要件書に基づき、特に本施設のZEB達成に必要な技術の評価や適正容量選定が行われました。運用段階においては、全体の運転性能を確認し、最適化しています。
久米設計のビジョン
久米設計は、持続可能な社会の実現へ向けて技術とデザインの融合を追求し、地域社会に貢献することを目指しています。1932年の創設以来、同社は多くのプロジェクトに取り組み、約650名の社員が在籍し、そのうち約450名が専門的な資格を持っています。この背景を持つ久米設計の取り組みは、今後もさらなる環境への配慮を焼く課題解決に繋がると期待されています。
このような環境調査センターの取り組みは、カーボンニュートラル社会の実現に向けた重要な第一歩となり、今後の性能検証や省エネルギー建築の普及に貢献することでしょう。
まとめ
愛知県環境調査センター・愛知県衛生研究所がコミッショニング賞を受賞した背景には、持続的な性能検証を重視した設計・施工がありました。この受賞は、ZEBの実現に向けた画期的な事例として、他の公共施設や企業にとっても大いに参考となることでしょう。今後も久米設計などが推進する先進的な技術と考え方が、環境問題解決に向けさらなる成果を上げることを期待しています。