日水コンと北九州市が手掛ける雨水管理のスマート化技術、2025年に実証実施へ
株式会社日水コンと北九州市上下水道局の共同事業体が開発した「リアルタイム雨水管理システム(Blitz GIS)」が、国土交通省のWOW TO JAPANプロジェクトに採択され、2025年度にベトナムのハイフォン市で実証試験が行われることになりました。この取り組みは、都市化と気候変動によって浸水被害が増加しているベトナムで、雨水管理の新たな形を提案するものです。
実証事業の概要
本プロジェクトでは、降雨情報やマンホール内の水位をリアルタイムで集約するシステムを利用し、監視画面上にデータを表示、さらに警戒水位に達した場合にはアラートが発令できる仕組みが特長です。これにより、浸水原因の特定や水防活動の機動的実施が可能になり、効果的なハード対策の策定にも寄与します。
また、日水コンは現地での機材導入を行うほか、ベトナムの主要都市での普及活動も手掛けます。北九州市は、集約されたデータを基に水防体制の見直しや専門人材の育成を推進します。
背景と北九州市の役割
日水コンは、北九州市海外水ビジネス推進協議会(KOWBA)の会員として、この技術を北九州市上下水道局に提案しました。北九州市とハイフォン市は姉妹都市の関係にあり、2010年以降は協力関係を深めつつ、下水処理システムの運用や浸水対策の支援を行っています。このような継続的な技術協力を基に、日水コンのリーダーシップのもとで新たな水管理の手法が模索されています。
WOW TO JAPANプロジェクトの意義
国土交通省のWOW TO JAPANプロジェクトは、日本の下水道技術を海外に展開するための取り組みで、現地のニーズに応じた技術の有効性を実証試験を通じて検証します。日水コンは、これを通じて自社の技術を海外に展開し、「潤いある持続可能な未来社会」の実現に寄与することを目指しています。
今後の展望
この実証事業は、日水コンにとっても新たな市場への進出のチャンスであると同時に、北九州市が培った水処理技術の国際的な評価を高める機会でもあります。両地域の連携によって進められるこのプロジェクトが、今後どのような成果を生み出すのか、目が離せません。公募を通じての選出により、期待が寄せられる本事業が、持続可能な未来施策として実を結ぶことが期待されています。