コンチネンタルの未来
2017-03-10 11:00:15
コンチネンタルの成長戦略と未来のモビリティ展望について
コンチネンタルの成長戦略と未来のモビリティ展望について
コンチネンタルが2016年の暫定決算を発表しました。同社はこの年、売上高が前年対比3%増の405億ユーロに達し、調整後EBITマージンは10.8%という結果を記録しました。代表取締役のデゲンハート氏は、純利益が28億ユーロ、1株あたり利益が14.01ユーロを超える成果を上げ、特に昨年の成績を上回ることができたと報告しました。
デゲンハート氏は、「市場の成長スピードを上回る形で自社事業が成長できたことは評価に値します。この成績を株主に還元するため、5回目の配当増加として4.25ユーロを提案します」と強調しました。また、経済的、政治的に厳しい環境下でも、同社はさらなる成長を見込んでいます。
2017年度の展望
デゲンハート氏は、2017年には430億ユーロを超える売上を達成できると予想しており、再び市場よりも速い成長を目指す意向を示しています。「調整後EBITマージンは10.5%以上を目指し、原材料価格が高騰している中でもこの目標を掲げます」と述べています。
同社は乗用車の世界生産台数が前年より1%増加する9400万台程度になると見込んでいます。特に中国や欧州では生産が増加する一方、米国市場の成長は鈍化していますが、ブラジルやロシアなどの市場の安定が期待されています。
ADAS技術の強化
ADAS(先進運転者支援システム)市場において、コンチネンタルはリーダーシップを確立し、2016年度の受注額は30億ユーロを超えました。また、同社は過去5年間で10億ユーロ以上を技術開発に投資しています。デゲンハート氏は、「私たちの目標は、未来の世代に交通事故を過去のものとして認識させることです」と言い、センサーのさらなる開発は自動運転や交通安全の向上に大きく貢献すると展望しています。
3D Flash LIDARの開発
コンチネンタルは現在、3D Flash LIDAR技術の量産化に向けた取り組みを進めており、2020年の量産開始を目指しています。この技術は、車両周辺の高精度な画像を提供するもので、自動運転や自律走行の実現に向けた重要な一歩となります。
環境に優しい未来の車
デゲンハート氏は、2050年までに世界の人口の約3分の2が都市部に集中し、そこでのモビリティのニーズに応える車両は電動化され、完全なコネクテッドカーシステムを実現すると予測しています。「新たなビジネス領域として、スマートなモビリティサービスが重要な役割を果たします」と述べています。
さらに、コンチネンタルは電気自動車に向けたソリューションにも積極的に取り組んでおり、数年間で10億ユーロを超える投資を行っています。しかしながら、バッテリー技術の発展には2024年まで待たなければならない可能性もあるとのことです。
増加する研究開発投資
2016年、同社は有形資産とソフトウェアに対し26億ユーロを投資し、研究開発費は前年対比14.8%増加の28億ユーロを超えました。自動車業界が転換期を迎える中、コンチネンタルは先導的なサプライヤーとしての役割を果たしており、開発費用の増加にも関わらず利益を上げ続けています。
シェーファー最高財務責任者は、「使用可能な資金が企業の柔軟性を高め、変化に対応する余裕をもたらす」との見解を示しました。また、従業員数も増加し、2016年末には22万人を超え、製造分野や買収に伴う増員が要因として挙げられています。
まとめ
コンチネンタルは、持続可能でインテリジェントなモビリティ技術の開発に注力しており、今後の自動車産業におけるさらなる進展が期待されています。未来のモビリティに向けた同社のビジョンは、技術革新と持続可能性を両立させるものであり、今後の成長に注目が集まります。
会社情報
- 会社名
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コンチネンタル・オートモーティブ株式会社
- 住所
- 神奈川県横浜市神奈川区新浦島町1-1-32アクアリアタワー横浜
- 電話番号
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