「芝がめくれるぐらい激しい試合をしたい」
7月9日(火)に開幕する「ウィンブルドンテニス」車いす部門に出場する小田凱人、上地結衣のWOWOW独占インタビューが到着!
後半戦に突入したグランドスラム第3戦「ウィンブルドンテニス」。7月9日(火)に開幕する車いす部門に出場する小田凱人、上地結衣がWOWOWの単独インタビューに応じた。
前回王者の小田は男子シングルスで連覇を狙い、上地も女子シングルスでの悲願の初優勝をめざす。1回戦で小田は眞田卓と、上地はジュ・ジェンジェン(中国)と対戦する。
「自由にテニスをする、それで勝つ」小田凱人が語る連覇への意気込み
「去年と意識の違いはありますか?」という質問に対して、小田は「いつも通りですね。でも去年よりワクワクしてるし、楽しみっていう気持ちが去年よりも多いです」と笑顔を見せた。
ウィンブルドンへの強い思いを語る小田は、「白いウェアに芝でということで毎回『遂にきたな』という気持ちになります。去年もこういう風だったなという感情が今あります」と、再びこの舞台に立てる喜びを表現した。
今年のウィンブルドンで世界に見せたいものは?という質問には、「自由にテニスをする、それで勝つ」と力強く答えた。
全仏、ウィンブルドン、パリパラリンピックと続く重要な戦いを前に、小田はウィンブルドンを「パラリンピック前の、最後に残ったタイトル」と位置づけている。
「全豪から順調に大きなタイトルを取ってきてはいるので、パラリンピック前、最後に締めくくって、パラリンピックにベストな状況で臨めたらなと思います」と、パラリンピックに向けて弾みをつけたいという強い意志を表明した。
芝での戦い方、そして忘れ物対策も!?
クレーコートから芝コート、そして再びクレーコートと、異なるサーフェスに対応していくことについて、「対応はしていないです。芝ってやっぱり重たいし、車いすが止まっちゃうのですが、そこで対策をするのではなく、みんなが変えていくところを、自分はそのままのスタイルでいきます」と、持ち前のアグレッシブなスタイルを貫くことを明かした。
「芝でもネットにでるし、アグレッシブなプレーをするというところで、対戦相手と差をつけていきたいですね」と、小田は芝コートでも持ち味を活かしたプレーで勝利を目指していく。
連覇へのカギとなるポイントについて、意外な回答が飛び出した。「僕、結構試合前に忘れ物をするんです。足にベルトをはめているのですが、よく(ベルトを)無くします。ベルトをちゃんと持っていけるように、準備をしっかりして、忘れ物をしないように試合に挑めたら結果がついてくるなと思っています」と、忘れ物対策も連覇への重要な要素と考えていることを語った。
上地結衣が語るデ グロート戦勝利と今後の展望
「前哨戦の大会で、3年ぶりにデ グロート選手に勝利しました。どのような点が良かったのでしょうか?」という質問に対して、上地は「前哨戦のローハンプトンの大会は、芝がすごく残っていて、ウィンブルドンとは全然違った印象でした。おそらくどの選手も苦戦していたのではないかなと思います。私を含めてですけど、初戦から3セットのマッチが多くて、デ グロート選手自身も珍しくもつれるような試合が多いなという印象でした」と、ローハンプトン大会の状況を説明した。
「試合の内容としては、自分が終始攻めることができ、クレーコートで戦った最後の対戦から改善して、色々と試しながらプレーができました。それが結果的に彼女にプレッシャーを与えられたのかなと思います」と、積極的に攻めるプレーが勝利につながった要因だと分析した。
デ グロート選手との対戦について、「守りに入っては絶対ダメだと思います。でも『ここのポイントを取りたい』と思ったときに、自分が安心できるように打った1本のショットが彼女に対しては、アタックできるチャンスになってしまう」と、攻める姿勢の重要性を強調した。
「ただ今回は芝という特性もあって、つなぐボールを1本打つだけで、一発で良くも悪くも状況が変わってしまいます。気の抜けない状態というか、ある意味しっかりと集中した状態を続けることができ、そういうところが良かったです」と、芝コート特有の難しさにも対応できたことを語った。
「勝ち」という結果を受け止め、自信へと繋げる
3年ぶりの勝利は、上地の今後の戦いにどのような影響を与えるのか。「自分の気持ちとしては、ここから続けて、自信をもっていきたいです」と、さらなる高みを目指していく決意を表明した。
「(試合)内容自体も100%納得しているかというとそうではなく、それ以前の準決勝や準々決勝の試合でも、すごく難しいなと感じながらプレーしている場面もありました。もっと(試合)内容を良くしていくことはもちろんですが、『勝ち』という結果はしっかりと受け止めて、素直に喜びたいです」と、内容面での課題は残しつつも、「勝ち」という結果を自信に変えていきたいという思いを語った。
「自分でもこういったプレーができると思って、このあともプレーしたいなと思います。それがどんどん積み重なっていけば、自分の感覚としても、試合の中で良い流れを作っていけるのではないかと思います」と、勝利体験を積み重ね、さらなる成長を遂げたいという意欲を示した。
課題克服とチームとの連携で目指す優勝
全仏での早期敗退からの立て直しについて、「現時点も、修正の連続で、必ずしもフランス遠征から脱出したというか、今すごくコンディション良くプレーしているわけではないです。テニスだけではなく、コンディショニングや車いすの部分でも日々試行錯誤しています」と、現在も様々な課題と向き合っていることを明かした。
「何か1つではなくて、自分の体と心と一緒に戦ってくれている用具が嚙み合ってはじめて、自分の思う通りにプレーできているという状態になると思います。まだそこまで正直達してはいないですけど、携わってくださっている沢山の方々と一緒に話し合いをしながら、色々なアプローチをしながら、ああでもないこうでもないと言いながら、取り組んでいる最中ですね」と、周囲のサポートを受けながら、日々努力を続けていることを語った。
芝コートへの対応と優勝への決意
クレーコートから芝コートへのサーフェス変化への対応について、「クレーもハードと比べると足元を取られたりとか、イレギュラーなことが起こるサーフェスですけど、まだ芝と比べると車いすの惰性というものが使えると思います。自分が漕いだもの以上に車いすが走ってくれるという感覚は、一番はハード、次はクレーにあると思います。(一方で)この芝というのは、先週のローハンプトンもそうですけど、自分が漕いだ分しか進まない印象です」と、芝コートでは車いすの惰性が使いにくいことを説明した。
「自分はパワー勝負ではなく、(車いすの)惰性を使い、体の回旋でボールをうまく飛ばしているタイプだと思うので、不利とはいわないですが、戦い方を変えなければならないとはいつも思っています」と、芝コートでの戦い方について、自身のスタイルとの違いを認識していることを語った。
「その上で、直線的なショット、ドロップ、バリエーションのあるショットを打って相手に読ませないところは重要かなと思って戦っています」と、芝コートでの戦い方を意識した戦略を明かした。
今回の目標について、「先週の大会は先週の大会のものとして良かったなと思いますけど、今週はやっぱりサーフェスも違いますし、少し違った感覚になると思います。しっかりとその感覚をフィードバックとしてとらえて、しっかり調整して、まずは決勝戦まで行く。このウィンブルドンは決勝戦にいけた回数自体がまだまだ少ないので、決勝戦にいってデ グロード選手と対戦する。そこでもう一度、積極的にプレーをして、自分の理想に少しでも近づけるようなプレーで、優勝するのが自分の今回の目標かなと思います」と、強い決意を語った。
WOWOWでウィンブルドン車いすテニスを独占放送・配信!
WOWOWでは、ウィンブルドンテニスを連日生中継!WOWOWオンデマンドでは最大10コートをライブ配信!
車いすテニスは、7月9日(火)からWOWOWオンデマンドで配信!
7月15日(月・祝)午後6:00には、車いす男女シングルス決勝をWOWOWライブで放送・WOWOWオンデマンドで配信!
小田凱人と上地結衣の熱い戦いを、WOWOWでぜひご覧ください!