平和の未来を考える「核なき世界」フォーラムがオンライン開催
2023年9月22日と23日の両日、パルシステム連合会と一般社団法人核兵器をなくす日本キャンペーンが主催する「核なき世界」平和・核廃絶フォーラムがオンラインで行われました。このイベントには、39の関連団体が支持を表明し、多くの参加者が平和の実現に向けたアイデアを提案しました。
多国間の協力による未来の平和
フォーラムでは、初日に国連の「未来サミット」を基に、核兵器廃絶やSDGs達成への重要性が語られました。初日の講演には、ニューヨークから一般社団法人SDGs市民社会ネットワークの大橋正明代表が登壇し、未来サミットでの話題と核兵器廃絶の関連性を明らかにしました。
未来サミットは、2030年のSDGs達成率が16%ほどにとどまる見通しのもとで、地球規模の共通課題解決を目指す協定の採択を目的として開催されました。大橋氏は、「協定は草案作成にNGOも関与しており、核兵器廃絶を含む重要なテーマが話し合われている」と説明しました。しかし、協定の採択後に実行に移すことこそが真の意味での成果であり、私たち市民の声が必要であると強調しました。
若者たちの発信とリアルな声
続くセッションでは、ニューヨークからの若者たちが現地の様子を報告しました。彼らは、次世代が政策決定に関わるべきとの見解を示し、現代の新たな危機に対する若者の役割の重要性を訴えました。一般社団法人かたわらの高橋悠太氏は、AIやパンデミックといった新しい課題への対処には、若者の積極的な参加が欠かせないと述べ、参加者にも支援を呼びかけました。
核兵器廃絶の国際的な動向
さらに、核兵器廃絶に向けた世界的な傾向について、一般社団法人核兵器をなくす日本キャンペーンの浅野英男氏が解説しました。彼は、国連のグテレス事務総長が「核戦争のリスクが最高レベルにある」と警告していることを紹介し、核兵器不拡散条約の見直しが困難な状況にあることも指摘しました。
一方で、核兵器禁止条約には90か国以上が署名または批准していることを挙げ、今後の進展には市民の声が欠かせないと述べました。
音楽による平和のメッセージ
フォーラムの最後には、千田パンフルート合唱隊が「いのちの歌」と「アオギリの歌」を披露し、参加者全員で耳を傾けました。特に演奏に用いられたパンフルートは、被爆したカイヅカイブキから作られたもので、その歴史的背景は参加者の心に深い感銘を与えました。
平和に向けた行動を共に考える
2日目は、平和や核兵器に関連する4つのテーマで分科会が実施されました。子どもたちも参加できる基礎編から、核兵器の存在理由や影響に関する議論が展開され、各分科会では、核廃絶に向けた活動を行う団体からの発表が行われました。参加者は各自ができることを考え、未来に向けた行動を促す内容となりました。
まとめ
フォーラムに参加した様々な世代が一堂に会し、核兵器廃絶の重要性を再確認すると共に、未来への責任を共有する貴重な機会となりました。
参加した皆さんの意見や行動が、平和の実現に繋がることを期待しています。