2025年に行われる第27回参議院議員通常選挙に向けて、文化芸術の未来に対する各党の考えを把握するためのアンケート「ManiA(マニア・Manifest for Arts)」が実施されました。これは、大阪に本社を置く株式会社アートローグが企画したもので、各政党に文化芸術に関する5つの質問を投げかけ、回答を得ています。
この取り組みは、有権者が投票の際に重要な案件として文化芸術を理解し、意識するための重要な材料を提供することを目的としています。参加した政党は自由民主党、立憲民主党、公明党、日本維新の会、日本共産党、国民民主党、れいわ新選組の7つです。各党からの回答は、文化芸術に対する価値観や政策ビジョンを反映しており、今後の日本社会における文化振興のあり方について考えさせられる内容です。
まず、初めの質問では文化予算についての意見が求められました。日本は国際的に見ても文化支出が非常に少ない国家として知られています。この中で、各政党は政府の予算に占める文化の割合についてどのように考えているのか、また、適正水準は何かなどの意見が述べられています。特に、クリエイティブエコノミーの振興に関する意見も多く、これは2025年6月に経済産業省が発表した「エンタメ・クリエイティブ産業戦略」と関連しているのが特徴的です。
また、2025年の大阪・関西万博に関連し、どのような文化的遺産が残されるべきか、またそれが国の文化力向上にどのように寄与するのかも哲学的な視点での議論を引き起こしています。大阪・関西万博は、1970年の日本万国博覧会に続いて、日本の文化を再認識する良い機会となります。
さらに、東京一極集中の問題についても質問が寄せられました。文化イベントや従事者、予算の端的な偏りが指摘されており、地方の文化振興への政策が今後求められています。そして最後の質問では、各政党の具体的な文化政策や実績についての意見も求められています。
この「ManiAプロジェクト」を通じて、各政党の文化芸術に対するポジションや政策について知ることができ、有権者にとっては重要な投票の材料となることでしょう。文化芸術が民主主義の中でどのように位置づけられるのかを考える機会でもあります。
各政党の具体的な回答内容は、別途提供された「Study:大阪関西国際芸術祭 2025」のニュース記事にて確認できます。いよいよ迫る選挙の中で、文化芸術に対する支持もまた、一つの重要なテーマとして国民の間で盛んに語られることが期待されます。